変形性関節症治療剤の国内製造販売承認申請実施     小野薬品

 小野薬品は6日、国内で共同開発を進めているONO-5704/SI-613について、同日、変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)の効能又は効果に係る製造販売承認申請を行ったと発表した。
 今回の承認申請は、国内で実施した3つのP3試験)の結果に基づくもの。変形性膝関節症患者440例を対象とした検証的試験において、ONO-5704/SI-613は主要評価項目である初回投与後12週間(4週ごとに3回投与)のWOMACスコア(膝の痛みの評価指標)でプラセボ(偽薬)群と比較して統計学的に有意な改善効果を示した。
 また、膝以外の変形性関節症患者(肩関節、肘関節、股関節、足関節)290例を対象とした臨床試験では、初回投与後12週間(4週ごとに3回投与)の被験者日誌による痛みの変化量において、対象とした4部位のうち、股関節及び足関節について主要評価項目を達成した。
 変形性関節症患者166例を対象とした長期投与試験では、4週ごとに繰り返し投与した際の52週間の安全性について評価し、いずれの関節においても臨床上、顕在化した問題は認められなかった。
 変形性膝関節症及び変形性足関節症は加齢などの要因で、また変形性股関節症は先天的な要因等で、関節の軟骨が傷つき炎症を惹起して痛みが生じる疾患で、いずれも罹患すると生活の質の低下につながる。国内での有症状患者数は、変形性膝関節症が約780万人と推計されており、特に女性に多く、70歳台女性の約70%が罹患していると言われている。
 変形性股関節症については、X線診断上の有病率は1.0~4.3%と報告されており、男性は0~2.0%、女性は2.0~7.5%の有病率となっている。
 なお、同件による小野薬品及び生化学工業の2020年3月期連結業績予想の変更はない。

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