AI搭載電動歯ブラシの新製品発表会開催        P&G

 P&G(本社・神戸市)は10日、東京都内で10月下旬より新発売するAI(人工知能)搭載の充電式電動歯ブラシのスーパープレミアムケアモデル「ジーニアスX」の新製品発表会を開催した。
 ジーニアスXは、1950年にアメリカの歯周病専門の歯科医が立ち上げたブランドブラウン オーラルBシリーズの一環として開発されたもの。


 ジーニアスXには、ブランド初となる「人工知能ブラッシング認知機能」が搭載されており、磨いている箇所をリアルタイムにアプリでガイドする。
 具体的には、ハンドル内のセンサーが、持ち手の速さや角度を検知し、AIに学習させた数千人以上のブラッシングデータをもとに、口の中の6箇所のうちどこを磨いているかを認識させ、オーラルBアプリで磨いている箇所をリアルタイムに表示する仕組みになっている。
 アプリは、磨き始めは歯を青く表示しているが、実際に磨き始めると青色の部分がだんだん薄くなり、磨き終わると白く表示される。アプリ上の歯が全部白くなるとブラッシングが100%完了した合図となる。
 ジーニアスXは、この「人工知能ブラッシング認知機能」により、偏りのないブラッシングを実現し、完成された高い歯垢除去力を発揮するのが大きな特徴だ。
 超高齢化社会を迎える中、健康な歯を維持することは、まぎれもなく健康長寿のための鍵のひとつであると考えられる。その一方で、歯周病の有病率は増加しており、厚生労働省のデータによると患者数は398万人に上る。
 磨き残された歯垢が原因とされる歯周病は、日々のブラッシング習慣そのものに課題が潜んでいることを浮き彫りにしている。働き盛りの世代から口腔内状況に変化が出始める。ホルモンの変化により、唾液量が減ったり、歯が黄ばんだり、歯肉がだんだんと痩せていったりなどの変化が始まるためだ。
 こうした中、日々のブラッシングの複雑性の増加は、「磨き残し」を主要因とする歯周病を引き起こす原因となっていく。加えて、個人の磨きぐせが、磨きあがりを大きく左右する原因となっている。
 オーラルBの調査によれば、日々のブラッシングにおいて、「約80%がどこか1箇所を磨き残し」しており、「約60%は奥歯の裏側を磨けていない」状態にあることが判明している。
 このように変化する口腔環境に対応し、偏りのないブラッシングを実現することがブラッシングの質を向上すると考えられ、その実現をアシストするのが、ジーニアスXだ。


 新製品発表会で講演した若林健史氏(若林歯科医院院長、日本大学客員教授、日本歯周病学会理事・専門医)は、まず、「歯周病は、さまざまな病気にもつながる可能性のある生活習慣病で、磨き残した歯垢に潜む歯周病菌が歯周病の原因となる」と明言し、「毎日の歯磨きの励行が重要である」と呼びかけた。
 さらに、若林歯科医院の患者に、事前にジーニアスXを使って歯磨きをしてもらった結果、「自分の磨きクセを理解できた」、「手磨きではできなかった歯ぐきのキワや奥歯の裏がしっかり磨けた」、「歯がツルツルになるのがわかった」などの感想が多かったことも紹介。
 その上で、歯周病を予防するための必要事項として、「日々の正しいブラッシング」、「歯肉の中に入っている根の表面の歯石取り」、「生活改善」、「定期的なクリーニング」を列挙した。
 最後に、「セルフケアとプロケアの両輪での行う」ことの重要性を改めて訴求し、「ジーニアスXは、歯科医の目からも、日々のブラッシングに非常に役立つ製品と考えられる」と感想を述べた。

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