排便後に「気になる」 自分のにおいは半数以上、他人のにおいはそれ以上 大正製薬が排便のにおいに関する意識調査

 大正製薬が実施した「排便のにおいに関する意識調査」によると、自分の排便後のにおい、半数以上が「気になる」。でも他人のにおいはそれ以上(71.8%)で、外出先での排便は約6割の人が「極力我慢」していることなどが判った。
 健康のバロメーターともいえる便通。便意を感じたらすぐトイレに行くことは腸内環境を整える理想的な生活習慣である。だが、外出先での排便に関しては、心理的に抵抗がある人も少なくない。その原因の一つと考えられるのがにおいだ。
 そこで、大正製薬では、排便のにおいに関してアンケート調査を実施し、なかなか人に聞くことができないお通じ事情について、どんな意識を持っている人が多いのかを探った。
 その結果、男性には潔癖症の傾向が見られ、特に 20代の男性で顕著に。一方女性は外出先での排便を「人に知られたくない」意識が強いことがわかった。
 また、便のにおいのしくみも併せてまとめた。『排便のにおいに関する意識調査』の調査概要、調査結果のポイントは次の通り。

【調査概要】
◆調査地域:全国
◆調査期間:2023年12月
◆調査方法:インターネットでのアンケート調査
◆調査対象:20歳~69歳までの男女
◆有効回答:400名(男性:200名、女性:200名)◆調査会社:クロス・マーケティング

【調査結果のポイント】

◆自分の排便後のにおいが「気になる」人は半数以上(54.8%)。20~40 代では男性の「いつも気になる」が女性を上回る

◆他人の排便のにおいについて、71.8%が「気になったことがある」と回答。自分のにおい以上に他人のにおいは気になる!?

◆外出先での排便は、約 6 割(59.3%)の人が極力我慢。若い世代に多い「絶対しない」、「極力しない」派

◆ お通じを我慢する理由~ 男性1位は 、「外のトイレの便座には座りたくないから」(38.1%)。女性は「落ち着かない」(54.0%)、「音やにおいが恥ずかしい」(33.9%)

◆外出先でのにおい対策は、「同時に水を流す」が約3人に1人(30.6%)。女性は約4 割で、男性の2倍が実践!「携帯消臭剤を使う」は20代の男性(14.3%)、「トイレ内の便座除菌クリーナーで拭く」は60 代男性(20.5%)と20代男性(20.0%)に多いことが判明

◆便のにおいがきつくなる原因が腸内細菌にあることは約半数が認識

◆ユニークな20代男性。“潔癖男子”が多い!?

◆自分の排便後のにおいが「気になる」人は半数以上(54.8%)。20~40 代では男性の「いつも気になる」が女性を上回る
 自分の排便後のにおいに関して、「いつも気になる」(11.8%)、「たまに気になる」(43.0%)を合わせて、半数以上の54.8%の人が気にしている。トータルの男女比では、女性がやや多い程度で、大きな違いはなかった(男性 51.5%、女性 58.0%)。だが、自分のにおいが「いつも気になる」と答えた20~40代の男性は、同年代の女性を上回り、中でも20代の男性は、同じ20 代女性の6倍(15.0%)に。意外にも(?)自分の便のにおいに敏感な男性が、若い世代を中心に多いことがわかった。

◆他人の排便のにおいについて、71.8%が「気になったことがある」と回答。自分のにおい以上に他人のにおいは気になる!?
 他人の後に入ったトイレで においが気になったことがあると答えた人は、「よくある」(21.8%)、「たまにある」(50.0%)を合わせて 71.8%に上った。
 やはり自分のにおい以上に他人のにおいは気になるようだ。また、性別・年代別にみてみると、男女とも20 代から50代へと年代が高くなるにつれ、“気になる率”が高まる傾向がみられた。他人のにおいについては、年齢とともに許容度が下がっていくということだろうか。

◆外出先での排便は、約6割(59.3%)の人が極力我慢。若い世代に多い「絶対しない」「極力しない」派
 外出先での排便について、「どうしても我慢できない時だけする」( 34.5%)の回答を含め、「極力しない」(14.8%)、「絶対しない」(10.0%)と答えた人は約 6 割(59.3%)に上った。
 また、「絶対しない」「極力しない」という回答をみると、1 位・20 代女性(35.0%)、2位・30 代女性(32.5%)、3 位・20 代男性(30.0%)に多く、若い世代の“外トイレ否定”傾向がうかがえる結果となっている。

◆お通じを我慢する理由~男性1位は、「外のトイレの便座には座りたくないから」(38.1%)。女性は「落ち着かない」(54.0%)、「音やにおいが恥ずかしい」(33.9%)
 外出先での排便を我慢する理由は、「外のトイレでは落ち着かないから」(45.1%)、「外のトイレの便座には座りたくないから」(32.1%)、「音やにおいが恥ずかしいから」(24.1%)
の順に。
 男女別では、「外のトイレの便座には座りたくないから」が男性の回答のトップで、潔癖症の一面がうかがえる。一方、女性では「外のトイレでは落ち着かないから」が1 位。続いて「音やにおいが恥ずかしいから」は、男性の約2.5倍。潔癖症の傾向がみられる男性に対し、女性は排便を人に知られたくないという意識が強いようだ。

◆外出先でのにおい対策は、「同時に水を流す」が約 3 人に 1 人(30.6%)。女性は約4 割で、男性の2倍が実践!「携帯消臭剤を使う」は 20 代の男性(14.3%)、「トイレ内の便座除菌クリーナーで拭く」は 60代男性(20.5%)と20代男性(20.0%)に多いことが判明
 外出時での自分の排便後のにおい対策では、「排便と同時に水を流す」(30.6%)が多く、次いで「人がいないトイレを探す」(13.9%)、「トイレ内の便座除菌クリーナーで拭く」(11.7%)と、人知れず工夫されている様子がうかがえる。
 また、「携帯消臭剤を使う」が最も多かったのが 20代男性(14.3%)。「トイレ内の便座除菌クリーナーで拭く」の回答も60代男性(20.5%)と 20 代男性(20.0%)が多く、女性を上回っている。
 実は潔癖の傾向が高く、積極的なにおい対策を行っている男性が多いことがわかった。

◆便のにおいがきつくなる原因が腸内細菌にあることは約半数が認識
 便のにおいがきつくなる原因は何だと思うかを聞いたところ、「腸内の悪玉菌が増えているから」(36.3%)が最多。「乳酸菌・ビフィズス菌が不足しているから」(10.0%)と合わせると、半数近くの人(46.3%)が便のにおいと腸内細菌の関わりを認識していることがわかる。
 さらに「肉類など動物性たんぱく質や脂肪の摂り過ぎ」( 31.3%)、「食事のバランスが悪いため」(25.5%)という答えが続き、食べた物が便のにおいに影響していると考えている人は多くみられる。
 ただ、男性では全年代で「わからない」の回答が最も多く、腸活への関心度・理解度では女性がやや上回っているようだ 。

◆ユニークな 20 代男性。“潔癖男子”が多い!?
 今回の調査で特徴的だったのが20代男性だ。外出先での排便では「極力しない」「絶対しない」の回答が3割を占め、男性陣トップ。
 トイレを我慢する理由では、「人に分かってしまうのがいやだから」と考えている人が4人に1人以上いて(26.9%)、男性で最も多く、年代によっては女性よりも多くなっている。
 におい対策で「携帯消臭剤を使う」人は男女全年代で最も多い14.3%。「人がいないトイレを探す」という回答も2 割を超え(22.9%)、40 代女性と並んでトップであった(表 9 参照)。 自分の個性を重視する人が多いといわれるZ 世代。ファッション、メイク、スキンケアなどと同様、生活スタイルでも自分らしさを大切にする“潔癖男子”が多いのかもしれない。

◆「排便のにおいに関する意識調査」監修:小林暁子氏(小林メディカルクリニック東京院長)のコメント

【便は健康のバロメーター! においもセルフチェックで健康管理】

小林氏

食べたものは胃や腸などで消化・吸収されて、残ったものが便として出される。では便とは何なのだろう。

<便は何でできている?~健康的な便の中身は、水分8 割、固形物2 割>
 体内で必要な栄養を吸収された後に、「食べ物のカスが便になる」と思われがちだが、実は便の主成分の約80%は「水分」である。残りの約 20%は固形物で、食べ物のカスはその1/3。その他、1/3が腸壁から剥がれた粘膜で、あとの1/3が腸内細菌です。わずか1g(乾燥ベース)の便に、約1兆個の腸内細菌が含まれているといわれている。

<なぜ便はくさくなる?~腸内環境が悪玉菌優勢に>
 この便のにおいに影響を与えるのが腸内細菌。腸内細菌には善玉菌、日和見菌、悪玉菌があり、悪玉菌は肉などのたんぱく質や脂質をエサとして好み、おなかの中で分解するときにイヤなにおいを放つ物質を作る。
 食生活がお肉や油っこいものに偏り、悪玉菌が増えて腸内細菌のバランスが崩れると、便のイヤなにおいが強くなる。

<赤ちゃんの便がくさくないのは、腸内細菌のほとんどがビフィズス菌だから!>
 一方、ビフィズス菌に代表される食物繊維やオリゴ糖を好む「善玉菌」が多いと、便秘の改善にもなり、便のにおいは抑えられる。離乳期前の赤ちゃんの腸内細菌は、80%が善玉菌の代表であるビフィズス菌である。赤ちゃんの便がほとんど無臭なのはそのためだ。
 ビフィズス菌は、加齢とともに減少していくため、意識して摂取することで、腸内環境を整え、便のにおいをある程度コントロールすることが可能になる。継続的な摂取が大切になるので、食物繊維の多い食事をとることが難しい場合、手軽に補給できる整腸薬も推奨される。
 また、腸の働きが低下すると、身体のにおいにも影響が及ぶといわれている。便秘で腸内にたまった有毒ガス(インド-ルやスカトールなど)が血液中に吸収され、有毒ガスは体内を巡り、毛穴などから放出される。くさい、汚い、恥ずかしい‥‥と、悪者扱いされがちな便だが、実は腸の健康診断ができる重要なバロメーターである。
 トイレで流す前に、便の「形・色・量」はもちろん、「におい」もチェックする習慣を取り入れ、自分の腸内環境を確かめてみよう!

【においを抑え、良い便をつくるには?】

 良い便を出すためには、善玉菌はもちろん、善玉菌の餌になるオリゴ糖や食物繊維を取り入れ、便の水分を確保してくれる水溶性食物繊維を摂ることが大切だ。さらに、なにより、身体全体の新陳代謝がうまくいくように、体を動かし、しっかり睡眠を取ろう。

① 毎日朝食を食べ、繊維質が多い食事を意識する
 朝起きて水を飲む、朝食を食べるなど腸に刺激を与えることで便意を促すきっかけになる。朝、家を出る前にトイレに行く時間を設けると排便習慣も身につけられる。
 また、水溶性食物繊維は便をやわらかくしたり、有害物質を吸着する働きがあるため、意識して食べるのがお薦めだ。
 水溶性食物繊維を多く含む代表的な食品 :ニンニク、ごぼう、山芋、オクラ、芽キャベツ、アボカド、インゲン豆・大豆などの 豆類、きのこ類、さつまいも、大根など

② 水分をしっかり摂る
 水分不足になると腸の内容物が腸内を通過しづらくなったり便が硬くなる。便の約8 割は水分でできているため、こまめに水分を摂ることで便の状態を整えよう。

③ 乳酸菌などのプロバイオティクスを摂取する
 腸内フローラを整える(=腸活)ために大切なのは、善玉菌を増やすものを積極的に摂ることだ。善玉菌を増やすには、善玉菌を含むもの(「プロバイオティクス」)と、合わせて善玉菌のエサとなるもの(「プレバイオティクス」)※を毎日の食事に取り入れることが効果的である。

※身体に良い善玉菌を含むものをプロバイオティクス、その善玉菌の栄養源となるものをプレバイオティクス、さらに両方を合わせて摂ることをシンバイオティクスと呼ぶ。

④ おなかまわりのお悩み解決トレーニング
 腸を動かすためにおなかの筋肉はとても重要だ。おなかまわりには、横隔膜・腹横筋・腹斜筋・腹直筋があり、これらを動かすことで腸のぜん動運動は促される。エクササイズや腸もみマッサージで腸の機能をサポートする大切な筋肉を鍛えて腸の動きを活発にしよう。これらの筋肉は体幹の一部でもあるため姿勢改善にもお薦めだ。

⑤ 「排便日誌」をつけ、自分なりの排便ルーティンを確立する
 「時間がない」「便意がない」などの理由で、朝トイレに行かない人も少なくないのでは。便意がなくても、決まった時間に行くことが大切。毎朝のトイレが日課になるように習慣づけよう。
 また、排便状態を把握するのにおすすめなのが排便日誌。回数や時間、便の硬さ、におい、また食事や水分量、服薬状況などを記入することで、身体の変化にいち早く気づくことができる。

タイトルとURLをコピーしました