オプジーボが食道がんのP3試験で有意に全生存期間を延長     小野薬品

 小野薬品は1日、オプジーボが、食道がん患者を対象としたP3相試験 ATTRACTION-3において、化学療法と比較して、統計学的に有意な全生存期間のベネフィットを示したと発表した。
 ATTRACTION-3試験( ONO-4538-24/CA209-473 )は、オプジーボについて、フルオロピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応または不耐となった切除不能な進行または再発食道がん患者を対象に実施した多施設国際共同無作為化非盲検P3相臨床試験。
 同試験において、オプジーボ群は、化学療法群と比較して、これらの食道がん患者で主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長を示した。
 同試験の最終解析において、オプジーボ群は、化学療法群(ドセタキセルまたはパクリタキセル)と比較して、主要評価項目である OS の有意な延長を示し、死亡リスクを 23%低減した[ハザード比(HR)0.77;95%信頼区間(CI):0.62 – 0.96;p=0.019]。
 OSの中央値は、オプジーボ群で10.9カ月(95% CI:9.2-13.3)、化学療法群で8.4カ月(95% CI:7.2 – 9.9)であった。12カ月および 18カ月の全生存率は、オプジーボ群で 47%(95%CI:40 – 54)および31%(95%CI:24 – 37)、化学療法群で34%(95% CI:28 – 41)および 21%(95% CI:15 – 27)であった。
 オプジーボ群の生存ベネフィットは、PD-L1発現レベルにかかわらず認められた。それ以外の評価項目については、奏効率(ORR)は、オプジーボ群で19%(95%CI:14 – 26)、化学療法群で22%(95%CI:15 – 29)、奏効期間(DOR)の中央値は、オプジーボ群で6.9 カ月(95% CI:5.4 – 11.1)、化学療法群で3.9カ月(95% CI:2.8 – 4.2)であった。
 また、無増悪生存期間(PFS)の中央値は、オプジーボ群で1.7ヵ月(95% CI:1.5-2.7)、化学療法群で3.4 カ月(95%CI:3.0- 4.2)であった(HR 1.08;95%CI:0.87-1.34)。
 患者報告アウトカムにおける探索的解析では、オプジーボ群は化学療法群と比較して、QOLの有意な改善を示した。グレードを問わない治療に関連する有害事象(TRAE)は、オプジーボ群の66%、化学療法群の95%において発現した。グレード3~4のTRAEは、オプジーボ群の18%、化学療法群の63%において発現した。
 同試験データについては、スペインのバルセロナで 9 月27 日~ 10月1日まで開催中の2019年 ESMO で発表され、ランセット・オンコロジー誌に も同時に掲載された。
 食道がんは、食道の内面を覆っている粘膜から発生する悪性腫瘍で、大きくなると深層(外側)に向かって増殖する。食道がんは主に扁平上皮がんと腺がんの二つの組織型に分類され、日本では、扁平上皮がんが約 90%を占めている。
 全世界では、年間約 57万2000人(日本では約2万人)が新たに食道がんと診断され、年間約 50万8000 人(日本では約 1万2000人)の死亡が報告されている。
 日本においては、シスプラチンと5-FUが不応となった食道がんの二次治療において、明確な生存期間の延長効果を示した薬剤がないため、同疾患における新規治療薬の開発が期待されている。

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