人生100年時代のシニア健康意識で男女差が浮き彫りに   オムロンヘルスケア

 オムロンヘルスケアが8月23日と24日の二日間、全国の40代から70代の男女6184人を対象に実施した「健康および膝痛に関する調査」で、男女間、年代間で健康意識に大きな違いがあることが判明した。
 違いが浮き彫りになったのは、「自身の健康状態や対策」、「膝痛をはじめとした身体疾患」、「老後に向けて感じている不安要素の正体やその解消に対する取り組み実態」、および「健康寿命延伸に対する意識や行動」など。
 現代は、70代でも平均25~30年の余生が待ち受けている「人生100年時代」と言われている。その中で、健康寿命と生命寿命とのギャップは、超高齢化社会を迎えている日本において、個人のQOL維持向上のみならず老後に対する備えや国民医療費の増大といった面でも、重要な問題となっている。
 今回の調査は、近い将来これら諸問題に直面する、または既に直面している世代のリスク認識と行動実態を明らかにすることを目的としたもの。
 調査結果では、「平均寿命に対して、自身がいつ頃まで健康寿命を維持できるか」の設問に対して、「健康寿命が生命寿命に等しい」と考えている割合は70代男性が54.6%、70代女性が40.5%であった。
 70代の男女間で約15%もの乖離が存在し、「健康寿命」に対して男性は「楽観的」、女性は「現実的」であることが浮き彫りになった。
ちなみに、男性の健康寿命の平均は72.14歳で、平均寿命とのギャップは▲8.84歳。女性の健康寿命の平均は74.79歳で平均寿命とのギャップは▲ 12.35歳(厚生労働省調査データ)。
老後に不安を感じる割合は全体で約9割に上るが、そのうち4人に1人は具体的な対策をしてない。 老後不安への対策上位は「健康」に関する対策が独占した。
 不安の種類別では1位「お金」52.4%、2位「認知症」45.3%、3位「自分自身の介護」40.1%、4位「寝たきり」33.3%、5位「脳血管疾患や心疾患などの疾患」26.7%で、不安要素は「お金」と「自身の健康」が上位を占めた。
 その一方で、「お金」が老後の不安要素として1位であるにもかかわらず、対策となる「貯蓄」は6位(26.7%)、「財産運用」は8位(13.3%)に留まる。「お金」の不安の内訳では「医療費」がトップで52.6%であった。
 また、60代、70代では2人に1人が膝痛を抱えている。40代でも42.8%が膝痛を感じている。 膝痛を自覚しているシニア層は「アクティブシニア」と「諦めシニア」に二極化している。
 また、70代の2人に1人(50.4%)が正しい膝痛対策を理解しており、70代の2人に1人(43.8%)がウォーキングを、3人に1人(34.3%)が定期的な運動を行っている。
 反面、特に何もしていない人も約3割(27.0%)に上り、「アクティブシニア」と「諦めシニア」の二極化傾向にある。
 何もしない理由としては、「老化現象として受け入れている」という回答が29.5%。約3割の人が膝痛改善を諦めている。

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