HitGen社の次世代化合物ライブラリー活用創薬共同研究で複数のシード化合物獲得 田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は25日、HitGen(ヒットジェン、本社:中国)と2018年12月に締結した創薬標的分子に対するシード化合物の探索に係る共同研究契約の成果として、いくつかの標的分子に対するシード化合物を獲得したと発表した。HitGen社との共同研究契約は、昨年12月に契約期間を満了しており、今回その成果を公表したもの。
 シード化合物とは、ターゲットとなる創薬標的分子と結合する化合物を意味する。医薬品は、創薬から開発候補品になるまで、シード化合物からスタートし、ヒット化合物(創薬標的分子に対して活性が認められる化合物)、リード化合物(活性が認められ、医薬品として適切な性質を持つ化合物)となり、医薬品への開発に進んでいく。
 3年間の共同研究では、複数の創薬標的分子について、 HitGen独自の1兆種類以上の化合物から構成される次世代化合物ライブラリー(DNAタグ付きライブラリー:DELs)を用いて、低分子化合物で狙うことが難しいとされているアンドラッガブルターゲットに対してスクリーニングを実施し、いくつかの標的分子に対するシード化合物を獲得することができた。
 DNAタグ付きライブラリーは、DNAエンコードライブラリー(DNA Encoded Library (DEL))とも呼ばれる構造多様性を持つ化合物ライブラリーで、化合物ごとにデオキシリボ核酸(DNA)で標識することで化学構造の同定を可能にする。シード化合物は、医薬品として望ましい物理化学的性質を持ち、リード展開や最適化を容易にする。
 今後、田辺三菱製薬は、これらのシード化合物の合成展開によりヒット・リード化合物の創出を行い、2030年のめざす姿として策定した「VISION 30」実現にむけた成長戦略骨子の一つである「プレシジョンメディシン」への取り組みを進めて、画期的な治療薬の創製に向け、創薬研究を進めていく。

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