レンビマとキイトルーダの併用療法 腎細胞癌の適応で日本での承認取得 エーザイとMSD

 エーザイとMSDは25日、エーザイ創製の経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ」とMSDの「キイトルーダ」の併用療法について、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」の適応で、厚労省より承認を取得したと発表した。
 「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法は、成人の進行性腎細胞がん一次治療の適応で、米国および欧州において承認されている。同承認は、2021年12月の「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」の適応承認に続き、同併用療法として日本で2つ目のがん種に対する承認となる。
 今回の承認は、P3相CLEAR試験(307試験/KEYNOTE-581)の結果に基づくもの。同試験において、本併用療法(n=355)は対照薬のスニチニブ(n-357)と比較して主要有効性評価項目である無増悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)を統計学的に有意に延長し、増悪または死亡のリスクを61%減少させた(ハザード比(Hazard Ratio: HR)=0.39 [95% 信頼区間(Confidence Interval: CI), 0.32-0.49]; p<0.0001)。
 同併用療法のPFSの中央値は23.9カ月であり、対照薬のスニチニブは9.2カ月であった。 
 副作用は、安全性解析対象例352 例中341 例(96.9%)(日本人42 例中42 例を含む)に認められた。主な副作用は、下痢192 例(54.5%)、高血圧184 例(52.3%)、甲状腺機能低下症150 例(42.6%)、食欲減退123 例(34.9%)、疲労113 例(32.1%)、口内炎113 例(32.1%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群99 例(28.1%)、蛋白尿97 例(27.6%)、悪心94 例(26.7%)、発声障害87 例(24.7%)、発疹77 例(21.9%)、無力症71 例(20.2%)等であった。
 腎細胞がんは、世界において腎臓における最も発生頻度の高いがんで、腎がんの約9割を占めている。日本では2020年に、2万5000人以上が新たに腎がんと診断され、8000人以上が亡くなったとされている。
 腎細胞がん患者の約30%は、診断時に転移が確認される。生存率は診断時のステージによって大きく変わるが、転移性腎細胞がんの5年生存率は14%で予後がの悪い。
 両社は、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法について、複数のがんを対象に20を超える試験を実施している。

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