LIVTENCITYTM 移植後患者に対するCMV感染ピボタルP3試験で好結果  武田薬品

 武田薬品は9日、LIVTENCITYTM(開発コード:TAK-620)について、難治性/抵抗性(無しを含む)サイトメガロウイルス(CMV)感染の移植後患者におけるピボタルP3相SOLSTICE試験で、 投与8週目において同剤が従来の治療法より統計学的に優れていることを示したと発表した。
 同試験結果は、Clinical Infectious Diseases (CID)誌に掲載された。同稿は、オンラインで公表しており、米国感染症学会の公式査読誌である紙面のCIDに今後掲載される予定だ。
 SOLSTICE試験の主要評価項目は達成され、8週目の試験終了時(治療終了時)におけるLIVTENCITY(maribavir)を投与した成人患者の55.7%(131/235)が CVMのDNA濃度が定量検出限界以下(LLOQ:<137 IU/mL)となった。
 これに対し、従来の抗ウイルス療法群(ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネット、シドフォビルのいずれか1つまたはその併用)の患者では、23.9%(28/117)であった(調整群間差:32.8%、95%信頼区間:22.80~42.74、p<0.001])。
 副次評価項目である8週から16週目まで維持されたCMVのDNA値<LLOQの達成と症状コントロールを満たした患者の割合は、従来の抗ウイルス療法群で10.3%(12/117)であった。 一方、LIVTENCITY群では18.7%(44/235)と高くなった。(調整群間差:9.5%、95%信頼区間:2.02~16.88、p =0.013])
 治療による有害事象(TEAEs)の発生率は、両群間で同程度であった(maribavir:97.4%、IAT:91.4%)。有害事象により治験薬の投与を中止した患者は、LIVTENCITY群の13%(31/234)と比較し、従来の抗ウイルス療法群で32%(13/117)と高くなった。
 治験と関連がある緊急性の高い致命的な有害事象が各群1例ずつあったが、LIVTENCITY群では、同事象はMaribavirと関連がないと治験依頼者より判断された。
 全死亡率は、各投与群で同程度でした(従来の抗ウイルス療法11%、13/117に対し、LIVTENCITY 11%、27/235)。
 なお、LIVTENCITYは、現在、米国のみガンシクロビル、バルガンシクロビル、シドフォビル又はホスカルネットによる治療に対して抵抗性を示す(遺伝子型耐性の有無を問わない)移植後のCMV感染/感染症を有する成人患者と小児患者(12歳以上で体重35 kg以上)に対する治療薬として承認されている。

◆武田薬品ヴァイスプレジデントでMaribavirグローバルプログラムリーダーのオビ・ウメ氏のコメント「難 性/抵抗性メガロサイトウイルス感染の移植後患者さんを対象にLIVTENCITYと従来の抗ウイルス療法を比較したSOLSTICE試験において、主要評価項目に加えて重要な副次評価項目も達成できたことを嬉しく思う。
 当社は、Maribavirの研究を継続し、移植後のCMVを再定義するような治療法を医療関係者や患者さんにお届けるため、研究を着実に取り組んでいく。

◆本試験共同実施者でピッツバーグ大学およびUPMCの移植感染症領域クリニカルオペレーションズディレクターFernanda Silveira氏(MD, MS)のコメント
 移植後のCMV管理には、副作用管理とウイルス量減少との慎重なバランスが求められる。本試験結果は、LIVTENCITYが難治性/抵抗性サイトメガロウイルス(CMV)感染の移植後患者さんにおいて、CMVの DNA濃度が定量検出限界以下を達成したことを示している。

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