大日本住友製薬は3日、米国子会社のサノビオン社がBial社(本社:ポルトガル)と、アポモルヒネ舌下投与フィルム製剤 APL-130277の欧州における独占的販売に関するライセンス契約を締結したと発表した。
同契約に基づき、Bial社は同剤の欧州における販売承認に向けた承認申請等の手続きを行い、同剤の欧州連合(EU)、欧州経済地域(EEA)および英国における流通・販売に関する独占的販売権を獲得する。
同契約により、サノビオン社は Bial 社より契約一時金を受け取りる。また、将来、一定のマイルストンを受け取る可能性がある。サノビオン社は、同剤の完成品を Bial 社に供給する。 サノビオン社は、引き続き、EU、EEA および英国を除く全ての地域における同剤の独占的販売権を保有する。
同剤は、「キンモビ」の販売名で、パーキンソン病に伴うオフ症状治療剤として米国およびカナダにおいて初めて承認された新規の舌下投与の薄いフィルム製剤。アポモルヒネ塩酸塩水和物(ドパミン作動薬)を有効成分として含有し、舌下で溶解するため、パーキンソン病患者さんは必要な時にオフ症状を改善する。
同剤は、欧州においては現在P3試験段階にあり、Bial社は2021年内の申請を目指している。
2030年までに、世界では推定で1000万人がパーキンソン病に罹患していると考えられている。オフ症状は、適切な薬物治療を行っていても再発または悪化するパーキンソン病症状(運動症状および非運動症状)だ。振戦(ふるえ)、固縮(筋肉の硬直)、寡動(動作緩慢)等の症状を特徴とし、人々の日常生活の活動を妨げる。
大日本住友製薬グループは、地域戦略として、日本、北米、中国・アジアでの自社販売に注力し、欧州を含む他の地域については他社との提携による成長を目指す。