早稲田大学理工学術院の柴田重信教授らの研究グループは7日、タンパク質の摂取タイミングが、筋量増加効果に影響することを明らかにしたと発表した。
同グループの研究により、タンパク質摂取による筋量増加効果は、量だけでなくタイミングにも影響し、筋量増加は体内時計を介して引き起こされ、その正常な機能が重要であることが判明した。また、朝食時のタンパク質摂取による筋量増加には、筋肉の合成を高める作用が強い分岐鎖アミノ酸が関わっていることも判った。
食事から摂取するタンパク質は、骨格筋の合成や筋量の維持・増加に重要だが、朝・昼・夕食といった3食の中での摂取量の偏りが及ぼす影響については、これまで不明な点が多くあった。
同研究グループは、筋量増加効果を得るためには、筋肉の体内時計(1周期約24時間の概日時計)が重要であることを突き止め、タンパク質の1日の摂取量だけでなく、摂取するタイミングも重要であることを解明した(図1)。
筋量増加には、体内時計に合わせたタンパク質の摂取が効果的であることから、この摂取タイミングをうまく活用することで、筋力や筋量が低下しやすい高齢者の健康を効率よく維持・増進できる可能性がある。
同研究成果は、米国Cell Press社によって刊行されるオープンアクセスジャーナル『Cell Reports』のオンライン版に2021年7月6日(火)AM11:00(東部時間)に掲載された。