新型コロナ感染の自宅療養患者にしっかりと対応  大阪府薬乾会長

乾会長

 新規新型コロナ感染者数が高止まりする大阪において、大阪府薬剤師会では、新型コロナ感染の自宅療養患者に対して、薬局・薬剤師がしっかりと対応していく方針を改めて確認した。乾英夫大阪府薬会長が、10日にWebで実施した定例記者会見で明らかにしたもの。
 大阪では、新型コロナ感染者の増大により、自宅療養者が1万4000名に上る。自宅療養者への対応は、発熱などがあった場合、かかりつけ医からの院外処方箋をかかりつけ薬局で対応するのが通常だが、かかりつけ薬局を持たない待機者も存在する。
 そこで、大阪府薬では、昨年12月、かかりつけ薬局を持たない自宅療養患者の院外処方箋を応需する薬局を募集し、手挙げした1730件のリストを作成した。
 これまで、大阪府の保健所では、当該患者に対して対応できる医療機関や同リストに基づいての薬局の紹介を行ってきた。だが、昨今の新型コロナ患者の増大により、当該患者に対する医療機関や薬局紹介が困難となったため、大型連休前から同薬局リストを直接患者に手渡すようになった。
 大阪では、自宅療養者が1万4000名を上回っている。そこで、大阪府薬では、改めて新型コロナ感染の自宅療養患者に対して、しっかりと薬局・薬剤師が対応していく方針を確認した。

道明副会長


 一方、道明雅代副会長は、保険薬局内の感染防止のための「患者の状況や連絡先を記載した」処方箋の受付状況と感染拡大防止対応調査結果を報告した。
 それによると、1月は、大阪府薬会員薬局3500軒のうち、1269軒が回答。その約半数が「新型コロナ感染の疑いのある院外処方箋を応需した」と答えている。
 2月は、1129軒が回答し、そのうち523軒の薬局が新型コロナ感染症の疑いがある院外処方箋を応需している。道明氏は、「1月と2月はほとんど変わり無かった」と分析。2月の回答薬局数が減少している理由については乾氏が、「1月に緊急事態宣言が出され、2月はその効果があってコロナ感染が疑われる新規患者が減ったため」と考察した。
 堀越博一常務理事は、大阪府薬の組織力強化のため、5月~7月の3カ月間、「入会キャンペーンを実施する」ことを明らかにした。同キャンペーン中に入会すれば、入会金1万円が免除される。

神谷氏


 今回の定例会見では、来年夏の参院選挙に立候補する神谷まさゆき日薬連盟組織内統一候補があいさつした。神谷氏は、全国支部回りのキャラバン活動で、22日まで大阪府の予定であったが緊急事態宣言の延長により11日からの会員薬局回りは中止となった。
 神谷氏は、「現場出身の薬剤師として、医療における薬局の位置づけを確立し、真の医薬分業をしっかりと実現していきたい」と抱負を述べた。また、新型コロナ禍によるキャラバン活動の影響についても「薬剤師会は、各支部での研修会開催でIT化が進んでいるため、オンラインで挨拶できるのがありがたい」と言及した。

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