大日本住友製薬は27日、連結子会社のS-RACMOがCorneaGenおよびその子会社のコーニアジェン・ジャパンから、日本における角膜内皮細胞(予定適応症:角膜疾患)の製造および製法開発を受託する契約を締結したと発表した。
S-RACMO は、今後、大日本住友製薬が所有する再生・細胞医薬製造施設「SMaRT」の一部、および大日本住友製薬の総合研究所(大阪府吹田市)内に現在建設中の再生・細胞医薬製造施設を使用して、同件を含む受託(CDMO:Contract Development and Manufacturing Organization)事業を実施する計画である。
CorneaGen Inc.は、米国ワシントン州シアトルに本社を置き、世界40カ国以上に角膜移植のための角膜の提供や、眼科用の医療デバイスを販売するなど角膜疾患による失明の撲滅のために眼科医とその患者のサポートに取り組む企業である。
同社は、木下茂教授(京都府立医科大学 特任講座感覚器未来医療学)などから角膜内皮細胞の再生医療製品の基本技術に関わるライセンスを取得している。
一方のS-RACMOは、住友化学と大日本住友製薬により、2020 年 9月に設立された合弁会社。再生医療、細胞治療の早期普及および産業化に貢献すべく、再生・細胞医薬分野の製法開発、製造などのCDMO事業に取り組んでいる。
同社では、住友化学が有する iPS/ES 細胞の基盤技術や医薬品の受託製造に関するノウハウと、大日本住友製薬が再生・細胞医薬事業における複数のプロジェクトで培った高度な製法開発や製剤開発などのノウハウを生かす考えを示している。