小野薬品は21日、グレリン様作用のがん悪液質治療薬薬「エドルミズ」を国内で新発売したと発表した。効能効果は、悪性腫瘍(非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌)におけるがん悪液質。薬価は、246.40円/錠。ピーク時(2031年)の売り上げ目標38億円。
がん悪液質は、がんに伴う体重減少(特に筋肉量の減少)や食欲不振を特徴とする複合的な代謝異常症候群である。がん悪液質は患者QOLや予後などに対して顕著な影響を及ぼすことが判明してきているが、これまでに国内でがん悪液質の治療薬として承認された薬剤はなかった。
エドルミズは、選択的かつ新規の経口グレリン様作用薬で、グレリンは、主に胃から分泌される内在性ペプチドである。グレリンがその受容体に結合すると、体重、筋肉量、食欲および代謝を調節する複数の経路を刺激する。エドルミズは、がん悪液質の患者における体重および筋肉量の増加並びに食欲の増加効果を示している。
今回、エドルミズの新発売により、国内で治療法がなかったがん悪液質の患者に新しい治療選択肢を届けることで、これら患者のQOL改善に貢献できるものと期待される。