新型コロナワクチン接種で各自治体から薬剤師への協力要請あれば適宜協力 大阪府薬乾会長

乾会長

 大阪府薬剤師会の乾英夫会長は8日、定例記者会見で、早ければ今月中実施の医療従事者向け、および4月以降に予定される高齢者向け新型コロナワクチン優先接種における「注射剤への薬液充填」などを中心とした薬剤師によるサポート業務について言及。「現在、市町村で地域の実情に合ったスムーズなワクチン接種体制構築が検討されている。同体制が決定して薬剤師会に協力要請があれば適宜対応し、協力していく」考えを強調した。
 また、1月29日に施行通知が出た「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」にも、「いずれも8月1日からスタートするが、大阪府薬では周知啓発・支援したい」と断言。地域連携薬局では、「本会の担当役員が施行規則目含めてしっかりと検討し、認定に向けて行政と擦り合わせしていきたい」と抱負を述べた。
 医療従事者への新型コロナワクチン優先接種は、大阪府では、接種希望人数報告(1月15日まで)、それに基づく接種希望者名簿提出(同月22日まで)を府の優先接種ホームページにメールで送付する形式で受け付けを実施した。
 その結果、大阪府下にある79%の保険薬局が新型コロナワクチンの接種を希望し、希望薬局に所属する薬剤師・その他スタッフなど接種対象となる人の76%が接種することが報告されており、早ければ今月中にワクチン接種が実施される。
 一方、高齢者への新型コロナワクチン優先接種は本年4月以降を予定しているが、これに伴い大阪府下の各市町村では、現在、地域の実情に合ったスムーズなワクチン接種体制を検討している。
 ファイザー社の新型コロナワクチンの場合、保管温度-75度C、196本ワンセットになっており、薬剤師が行う業務としては、「解凍後の注射器への充填」、「ワクチン接種前の接種者の体調チェック」、「接種後の状態観察」などが考えられる。
 こうした中、山口泰秀専務理事は、「池田市、箕面市、高槻市では、既に新型コロナワクチン接種体制の調整が終わっており、既に当該地域の薬剤師会に対して薬剤師の協力要請を出している」と報告。さらに、「こうした地域において、薬剤師がどのうようなスキームにどういった形で参画すれば良いのかのマニュアルが作成されれば、他の地域の参考になる」と呼びかける。

尾島副会長


 尾島博司副会長は、堺市を例に挙げ、「高齢者コロナワクチン優先接種の対象者は約20万で、2回接種が義務付けられている。自治体で、接種場所、曜日、時間などを早く決定してもらわねば、地域薬剤師会としての対応が困難である」との実情を明かす。
 乾会長は、「地域の実情に合致したスムーズなワクチン接種体制が決定して、薬剤師会に協力要請があれば適宜対応していく」考えを訴求した。
 1月29日に施行通知が出た「地域連携薬局」では、山口氏が「今回は法的に位置づけられたことで、健康サポート薬局よりもかなり重いものになる」と指摘。
 その上で、「健康サポート薬局は理念を標榜すれば認定されるが、地域連携薬局は実際に機能を発揮しなければならない」と訴えかけた。
 乾氏は、「地域包括ケアの中で地域医療に貢献する薬局であれば、地域連携薬局に認定していただけるように周知啓発・支援していく。担当役員と施行規則をしっかりと検討し、行政とすり合わせていきたい」と強調した。
 その他、大阪府薬のWeb研修のハード面について堀越博一常務理事は、「サイボウズおよびビデオ研修システムを移行して、これまでより高画質の画面が見れるようになった」と報告した。
        

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