DR.C20粉末固着シートが新型コロナ感染価を99.99%減少  DR.C医薬

新型コロナ感染防止に期待

 DR.C医薬は、感染症研究の世界的研究施設である長崎大学熱帯医学研究所の安田二朗新興感染症学分野教授(兼 熱帯医学研究所新興感染症学分野教授)との共同研究で、光触媒素材のDR.C20粉末を固着したシートが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染価が99.99%減少することを実証した。
 実験は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)溶液にDR.C20粉末を固着したシート(DR.C20シート)を浸漬し、新型コロナウイルスの感染価を測定したもので、新型コロナウイルスは、5分以内に99%以上減少すると推定されている。
 DR.C20は、光触媒技術に基づくDR.C医薬が独自開発した粉状の酸化チタン配合新素材。素材である酸化チタンが周囲の水から酸化力の非常に高いOH(水酸基)ラジカルを発生させ、化学反応によりウイルスの表面にあるタンパク質を分解させる。
 さらに、タンパク質合成で国際的に実績のある理化学研究所横山特別研究室 横山茂之特別招聘研究員 との共同研究で、DR.C20が、新型コロナウイルスの感染に関わるスパイクタンパク質を人工的に合成したものを用いて実験。
 その結果、人工的に合成された新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を3~10分の間に切断・崩壊させ、ヒト細胞受容体であるACE2 への結合に必要なスパイクタンパク質立体構造を崩壊させることが示唆された。
 東京大学大学院農学生命科学研究科寺田透准教授の支援によって分子動力学シミュレーションを行った結果、DR.C20による切断により、スパイクタンパク質のヒト細胞受容体であるACE2への結合に必要な立体構造が崩壊すると考察された。
 これらのスパイクタンパク質へのDR.C20の効果は、ウイルスの感染価のDR.C20による減少と相対することが判明した。
 新型コロナウイルスは、ヒトの細胞にあるACE2受容体と、タンパク質分解酵素であるTMPRSS2、FURINという分子的な仕組みの細胞への“入り口”を介して、効率よくヒトの体内に侵入する。
 新型コロナウイルスはまず、表面にある突起状のスパイクタンパク質(Spike, S)を、宿主細胞のACE2受容体と結合させ、細胞膜にあるタンパク質の分解酵素TMPRSS2、FURINが、ウイルスのスパイクタンパク質を適切な位置で切断し、ウイルスと細胞の融合を助ける。
 従って、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質が機能しなくなれば、新型コロナウイルスがヒトの細胞に感染することができなくなる。
 世界で初めて開発されたDR.C20は、人工的に合成された新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を3~10分の間に複数箇所で切断(生化学的解析で実証)し、ヒト細胞受容体であるACE2への結合に必要なスパイクタンパク質立体構造を崩壊させることが、分子動力学シミュレーションにより示唆された。
 これらの結果より、DR.C20粉末、シートは様々な物品に応用することにより、社会に貢献できるものと期待される。
 なお、新型コロナウイルススパイクタンパク質の分子行動力学(MD)シミュレーションとして、切断されたスパイクタンパク質の分子動力学シミュレーションによって、ほぼ瞬時(2マイクロ秒;2X10―6秒)に立体構造の崩壊が引き起こされる 過程の動画は次の通り。


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