大日本住友製薬は21日、米国連結子会社のマイオバント社がゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体阻害剤「オルゴビクス(一般名レルゴリクス)」について、FDAより成人の進行性前立腺がんを適応症として承認を取得したと発表した。
同剤は、進行性前立腺がんを適応症として米国で承認された初めての経口 GnRH 受容体阻害剤である。FDAから優先審査指定を受け、P 3 試験(HERO 試験)における有効性と安全性のデータに基づき承認された。
マイオバント社は、同剤を2021年1月に米国で発売する予定である。
カロライナ泌尿器リサーチセンターディレクターでHERO 試験の運営委員会のメンバーのニール・ショア医師は、「本剤はアンドロゲン除去療法を必要とする前立腺がんに対する新しい標準治療となる可能性があると」期待を寄せる。
さらに「本剤は、テストステロンを効果的かつ迅速に抑制する初の1日1回投与の経口剤で、HERO試験において、安全性の解析により現在の標準治療である注射剤のリュープロレリンと比較して、主要な心血管系有害事象イベントの発現率が 低いことが示されている」と説明。その上で、「前立腺がんの患者さんは、新型コロナ感染症の拡大により、注射を受けるための外出に困難とリスクを抱えており、経口治療剤の重要性が高まっている」と述べている。
リン・シーリーマイオバント社CEOは、「当社は、オルゴビクスを新しい標準治療として確立することを目標にしており、進行性前立腺がんの患者の治療にあたる泌尿器科医および腫瘍内科医に本剤を提供する営業基盤の構築が完了している」とコメントしている。