新型コロナウイルスワクチン開発でメディカゴとGSKが提携  田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は8日、連結子会社メディカゴ社(本社:カナダ)が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防をめざした植物由来のウイルス様粒子(VLP)ワクチンの開発で、グラクソスミスクライン社(GSK)と協業契約を締結したと発表した。
 メディカゴ社は、7月中旬に、同ワクチンのP1試験を開始する。P1試験では、GSKのアジュバントまたはその他のアジュバントを添加し、3用量のグループにわけて、21日間隔で2回接種し、安全性と免疫原性を評価する。
 VLPワクチンは、ウイルス様粒子(Virus Like Particle)製造技術を用いた新規ワクチンである。VLPは、ウイルスと同様の外部構造を持ち、ワクチンとしての高い免疫獲得効果(有効性)が期待される。加えて、遺伝子情報を持たないため体内でウイルスの増殖がなく、安全性にも優れる有望なワクチン技術として注目されている。また、植物を使用したVLP製造技術により、短期間で大量生産が期待される。
 同提携では、メディカゴ社がCOVID-19に対応したVLPを作製し、GSKがアジュバントを提供する。アジュバントは、医薬品の効果を高めるまたは補助する目的で併用される物質で、ワクチンに添加することで、免疫反応を高めるとともに、1回の接種に必要な抗原量を減らしてワクチン生産数量の増産が期待される。
 田辺三菱製薬グループは、同ワクチンの開発におけるGSKとの提携を通し、喫緊の社会課題であるCOVID-19の感染予防に取り組む。同ワクチン開発での協業を通して、より効果の高いワクチンを、より多くの人々に届け、感染症予防により一層貢献していく。
 また、同ワクチン開発での提携を踏まえて、両社は今後、COVID-19以外の感染症に対するワクチンの開発にも、両社の技術利用を検討していく予定だ。

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