小野薬品は22日、オプジーボおよびベバシズマブと化学療法の併用療法について、非小細胞肺がんを対象としたを評価したP3相床試験(ONO-4538-52/TASUKI-52)で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)で統計学的に有意な延長を示したと発表した。
ONO-4538-52/TASUKI-5は、化学療法未治療の根治照射不能なⅢB/Ⅳ期又は再発の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、オプジーボ、抗VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor:血管内皮増殖因子)ヒト化モノクローナル抗体であるベバシズマブと化学療法の併用療法群(オプジーボ併用療法群)をプラセボ、ベバシズマブと化学療法の併用療法群(対照併用療法群)と比較評価したもの。
同試験において、オプジーボ併用療法群は、対照併用療法群と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)で統計学的に有意な延長を示した。同試験の中間解析において、オプジーボ併用療法群(275 例)は、対照併用療法群(275 例)と比較して、主要評価項目である独立画像判定委員会の判定に基づく PFSで統計学的に有意な延長を示した[ハザード比(HR)0.56;96.37%信頼区間(CI):0.43 – 0.71;p<0.0001]。
PFSの中央値は、オプジーボ併用療法群で 12.1 カ月(96.37% CI:9.8 – 14.0)、対照併用療法群で 8.1カ月(96.37% CI:7.0 – 8.5)であった。12カ月の無増悪生存率は、オプジーボ併用療法群で 50.1%、対照併用療法群で 30.2%であった。
オプジーボ併用療法群の PFSベネフィットは、PD-L1発現レベルにかかわらず認められた。副次評価項目について、奏効率(ORR)は、オプジーボ併用療法群で61.5%、対照併用療法群で50.5%であった。奏効期間(DOR)の中央値は、オプジーボ併用
療法群で11.0カ月、対照併用療法群で 7.0 カ月であった。
また、未成熟なデータではあるが、全生存期間(OS)の中央値は、オプジーボ併用療法群で25.4カ月(95% CI:21.8 – NR)、対照併用療法群で 24.7 カ月(95% CI:20.2 – NR)(HR 0.85;95% CI:0.63 – 1.14)と、オプジーボ併用療法群で延長する傾向が認めらた。
グレード3~4の治療に関連する有害事象は、オプジーボ併用療法群の73.6%、対照併用療法群の72.0%において発現した。
同試験のデータについては、スペイン、マドリードで 9開催(バーチャル開催)された 2020年 ESMO で21日に発表された。