小野薬品は22日、一次治療未実施の切除不能な進行又は再発胃がん患者を対象にオプジーボと化学療法の併用療法を評価したP2/3相試験(ATTRACTION-4)結果について、主要評価項目の一つである無増悪生存期間(PFS)で統計学的に有意な延長を示し、もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)では統計学的な有意差は認められなかったと発表した。同試験結果は、スペイン、マドリードで 開催(バーチャル開催)された2020年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で21日に報告された。
ATTRACTION-4試験は、ヒト上皮細胞増殖因子受容体2型(HER2)陰性の一次治療未実施の切除不能な進行又は再発胃がん患者を対象に、日本、韓国および台湾においてオプジーボと化学療法の併用療法群(オプジーボ併用療法群)をプラセボと化学療法の併用療法群(対照併用療法群)
と比較評価したもの。
同試験において、オプジーボ併用療法群は、対照併用療法群と比較して、主要評価項目の一つであるPFSで統計学的に有意な延長を示した。もう一つの主要評価項目であるOSでは統計学的に有意な差は認められなかった。
同試験の中間解析において、オプジーボ併用療法群(362例)は、対照併用療法群(362 例)と比較して、主要評価項目である独立画像判定委員会の判定に基づくPFSで統計学的に有意な延長を示した[ハザード比(HR)0.68;98.51%信頼区間(CI):0.51 – 0.90;p=0.0007]。
PFSの中央値は、オプジーボ併用療法群で10.4カ月(95% CI:8.4 – 14.8)、対照併用療法群で 8.3 カ月(95% CI:7.0 – 9.4)であった。12カ月の無増悪生存率は、オプジーボ併用療法群で 45.4%、対照併用療法群で 30.6%であった。
また、同試験の最終解析において、もう一つの主要評価項目であるOSの中央値は、オプジーボ併用療法群で17.4カ月(95% CI:15.7 – 20.8)、対照併用療法群で17.1カ月(95% CI:15.2 – 19.6)であり、オプジーボ併用療法群と対照併用療法群で統計学的に有意な差は認められなかった(HR 0.90;95% CI:0.75 – 1.08)。
副次評価項目について、奏効率(ORR)は、オプジーボ併用療法群で 57.5%、対照併用療法群で 47.8%であった。奏効期間(DOR)の中央値は、オプジーボ併用療法群で 12.9 カ月、対照併用療法群で 8.7 カ月であった。
グレード3~4の治療に関連する有害事象は、オプジーボ併用療法群の57.1%、対照併用療法群の48.6%において発現した。