CNS分野の開発品がオプジーボの先の成長を上積み 滝野十一小野薬品社長COO

 小野薬品の滝野十一代表取締役社長COOは29日、2027年3月期第2四半期決算説明会で会見し、内因性カンナビノイド制御薬ONO-1110(帯状疱疹後神経痛、線維筋痛症、ハンナ型間質性膀胱炎、P2)、S1P5受容体作動作用薬ONO-2808(多系統萎縮症、P3)など、CNS分野の開発品について言及。
 「グローバル展開でしっかりと上市に結び付けていけば、次のフェーズの成長ドライバーに大きく貢献し、オプジーボ(抗PD-1抗体、抗がん剤)によってここまで成長してきた先の成長を上積みできる製品規模になり得る」と大きな期待を寄せた。
 小野薬品の2027年3月期第2四半期決算の売上収益は、海外でキンロック、ロンビムザ、ロイヤルティ収入が引き続き堅調に増収したものの、国内のフォシーガ錠の共同販売契約終了により2325億円(対前年同期比9.6%減)となった。
 コア営業利益は、フォシーガ錠の共同販売契約終了の影響を受けた一方で、ロイヤルティ収入や海外製品商品の売上が堅調に増加したため736億円(同5.1%増)、コア中間利益は568億円(同5.5%増)となり、減収・増益とった。
 2027年3月期通期業績予想は、売上収益4550億円(対前年比11.8%減)、コア営業利益1240億円(9.6%減)、コア税引前当期利益1240億円(10.3%減)の減収・減益を見込んでいる。
 コア営業利益の減益は、積極投資と減収の影響等によるもの。研究開発費(1430億円、対前年比1.5%減)は、将来成長を見据え、売上収益比約30%水準の投資を継続する。
 滝野氏は、アンチセンス阻害剤サパブルセン(真性多血症、P3)、EP4受容体拮抗薬/経口剤ONO-4578(胃がん、P3準備中)、S1P5受容体作動作用/経口剤(多系統萎縮症、P3)、ONO-1110など、パイプラインの充実に言及。
 「2030年前後のパイプライン候補は、かなり厚みを増してきている。一つひとつが、アンメットメディカルにしっかり応えていけると自信を持っており、期待して頂きたい」と訴えかけた。その上で、「今は、2030年以降のさらなる成長フェーズに向けて、先行投資していく時期にある」との考えを強調した。
 特に、CNS分野では、ONO-2808は、ターゲット適応症の多系統萎縮症において既存の治療薬は無い。疼痛剤も、従来の外から入れるオピオイドは、大量に投与すれば副作用と有効性の乖離がうまくいかず、「ペインマネージメントはもの凄くハードルが高い」と言われている。
 こうした中、ONO-1110は、内因性のカンナビノイド(麻薬)のみを使うため、必要なところで必要な有効性が出せて、副作用が出ないという理論のもとに開発されている。
 同剤は、P1試験で良好な安全性を確認。帯状疱疹後神経痛(PHN)、線維筋痛症(FM)、ハンナ型間質性膀胱炎(HIC)うつ病(MDD)および社交不安症(SAD)を対象に実施したP2試験でも、安全性は担保されている。
 有効性については、PHN、FM、HICの3つの異なる痛みのパターンに対して同じ方向でシグナルが出ているため、かなり期待度が高い。P3では、用量を増やした上でのステップが必要となる。滝野氏は、「ONO-1110は、アンメットメディカルニーズに対してしっかり対応できる新しい成長材料と成る可能性を有している。患者さんのベネフィットが大きく、当社にとっても大きな期待ができる」と評価した。
 CNS分野では、 韓国のSKバイオファーマシューティカルズから導入し、9月16日に国内で製造販売承認を取得した抗てんかん薬「エキスコプリ」も発売を間近にある。
 同剤は、既存薬にはみられない200㎎で30.1%、400㎎で52.4%の発作消失率を示しており、治療目標を「抑制」から「発作ゼロ」を目指す新たな治療選択肢として注目されている。

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