リズム・ファーマシューティカルズ(リズム社、本社:マサチューセッツ州ボストン)は14日、後天性視床下部性肥満治療薬「イムシブリー」(一般名:セトメラノチド)が薬価収載され、日本国内で販売を開始したと発表した。イムシブリーは、後天性視床下部性肥満を対象に承認された本邦初の治療薬である。
リズム社は、「希少な神経内分泌疾患と共に生きる患者とその家族の生活を変革する」を使命とするバイオ医薬品企業。主力製品であるイムシブリーは、過食および重度肥満の治療を目的としたMC4R作動薬で、米国FDA、欧州委員会(EC)および英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)で承認されている。
日本では、本年8月、後天性視床下部性肥満治療薬として厚労省より製造販売承認を取得した。同承認は、後天性視床下部性肥満の患者142人を対象としたセトメラノチドの国際共同P3試験「TRANSCEND」によるもの。この試験には、主要解析コホート120人に加え、日本人コホート12人および追加登録された海外症例10人が含まれている。同国際共同試験で主要評価項目を達成し、BMI減少率のプラセボ調整後の差は18.8%で、統計学的に有意であった。
同剤は、後天性視床下部性肥満の治療薬として、厚労省より希少疾病用医薬品の指定を受けている。リズム社は、日本国内の後天性視床下部性肥満の患者数を約5000人から8000人と推定している。後天性視床下部性肥満は、視床下部の物理的損傷または構造異常により急激かつ持続的な体重増加を特徴とする希少疾患だ。
視床下部の損傷はα-メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)産生の低下およびMC4R経路のシグナル伝達障害を引き起こす可能性がある。MC4R経路は空腹感、満腹感、エネルギーのバランスを調節する主要なシグナル伝達経路で、その結果として体重に影響を与える。
同疾患は、頭蓋咽頭腫、下垂体腫瘍、頭蓋内胚細胞腫瘍の増大または治療後に多く発症する。その他の損傷原因としては、外傷性脳損傷、脳卒中、感染または炎症などが挙げられる。
MC4R経路の障害により、患者は多くの場合過食および/またはエネルギー消費量の低下を伴い、急激かつ持続的な体重増加を呈する。後天性視床下部性肥満は、視床下部損傷後わずか6ヶ月で発症する場合がある。
リズム社は、イムシブリー以外にも他の希少疾患におけるセトメラノチドの広範な臨床開発プログラムに加え、開発中のMC4R作動薬であるbivamelagonおよびRM-718、ならびに先天性高インスリン血症の治療を目的とした前臨床段階の低分子化合物群の開発を推進している。
◆Yann Mazabraudリズム社インターナショナルリージョンプレジデントのコメント
今回の発売は、これまで承認された治療薬がなかった日本の後天性視床下部性肥満の患者さんにとって、治療上の重要な前進となる。当社はこの発売に向け、日本国内の体制整備を進めてきた。日本の患者さんのよりよい生活に貢献できる機会を得られたことを、大変うれしく思う。今回の発売は、希少な神経内分泌疾患の患者さんに革新的な治療薬を世界各地で提供するという当社のグローバルな取り組みにおける重要な節目となる。


