全般不安症で生活に重い負担も十分診断されていない可能性示唆 ヴィアトリス製薬

 ヴィアトリス製薬は、近年世界的に有病者数が増加し、深刻な社会課題となっている「メンタルヘルス」を取り巻く最新の研究動向や、疾患理解への取り組みをニュースレターで提供している。
 厚労省の2023年患者調査によれば、精神疾患で継続的に医療を受けている総患者数は推計489.6万人に上る。こうした中、今回は、9月に発表された国内精神科外来患者を対象とした最新研究を紹介しながら、精神医療における課題について紹介している。

【FEATURE】
全般不安症(GAD:Generalized Anxiety Disorder)患者、生活に重い負担がありながら十分に診断されていない可能性

 精神科外来にて「気分[感情]障害」・「神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害」と診断されていた患者のうち約5人に1人が「GAD」の診断基準に該当

 国内22施設の精神科外来で「気分[感情]障害」または「神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害」と診断された患者407人を対象に構造化面接(SCID)を用いて評価した研究で、20.4%(83人)がDSM-5に基づくGADの診断基準を満たしていたことが判った(約5人に1人が該当)。
 また、GADの診断基準を満たしていた83人のうち、主診断がGADだったのは約34%で、約66%はその他の精神疾患が主診断だった実態が判明している。
 同研究では、GAD患者が他の精神疾患の患者と比較して、SDS(仕事、社会生活、家庭生活における支障を評価する自己評価式尺度:Sheehan Disability Scale)スコアに有意に差があり、より生活負担が重いことも指摘されている。 例えばGADを伴う精神科外来患者において、過去1週間のうち平均約3.3日に『十分に働けない(能率が上がらない)日』が生じていると報告されており、非GAD患者(平均約2.6日)と比較して仕事や日常の生活機能に支障をきたしている実態が示された。
 以上の研究により、GAD患者が生活に重い負担があるにも関わらず正しく診断されず、見過ごされている可能性が示唆されている。
 見過ごしを防ぐためには、「過度な心配・不安が続いてつらい」場合に、患者自ら「もしかして全般不安症(GAD)ではないか?」と疑い、診察時に直接相談する行動が有効と考えられるが、GADの認知度はまだ低い。
 2025年にGAD治療薬の臨床試験に参加した患者の一部を対象としたオンライン調査では「全般不安症について聞いたこともなかった」と回答した人は72%以上だったというデータもある。
 また、医療現場においては、患者さんの症状において「過剰かつコントロールできない心配や不安」が存在しないか、積極的な見極めと丁寧な再評価が求められる。

【過剰な心配・不安により日常生活に支障が出る「不安症」と「全般不安症(GAD)」】

 不安は誰もが持つ感情だが、過剰な心配・不安が毎日続くようになり、日常生活に支障が出る状態は、こころの疾患である。複数の不安の疾患を総称して不安症(正式には「不安症群」)という。GADは、複数の出来事や活動に対して、コントロールできない慢性的かつ過剰な「不安」や「心配」を中心症状とする疾患で、いくつかある不安症の1つである。
 不安や心配に加えて、十分な睡眠がとれなくなったり、筋肉が緊張して凝ったりなどの身体症状や、落ち着かない、疲れやすい、イライラする、集中できなくなることで、生活や仕事において深刻な機能障害を起こす場合がある。
 WHOの報告によると、日本におけるGADの生涯有病率は2.6%とされている。また、国内在住の成人男女を対象に、自己記入式質問票であるGAD-7を使用した2024年の調査によると、GADの疑いがある(GAD-7スコアが10点以上)人は7.6%(およそ13人に1人)であると報告されており、日本でも、決して少なくない数の人々がGADに罹患している可能性がある。
 ヴィアトリス製薬では、全般不安症(GAD)の疾患啓発に努めている。GADについて学べるサポートサイト「こころの陽だまり」(こころの陽だまり | GAD(全般不安症)情報サイト)では、GADの症状や治療、患者の疑問や悩みごと、ストレッチや瞑想などのセルフケアの方法を紹介している。
 セルフチェック(GAD-7)についても紹介しているので、受診するかどうか迷った場合などに活用できる(確定診断には医師の評価が必要)。

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