塩野義製薬は5日、IntraBio社(本社:米国テキサス州)を買収すると発表した。IntraBio社買収は、同社米国グループ会社のシオノギインクが実施するもので、買収契約における合意内容に基づき、IntraBio社はシオノギインクの完全子会社となる。
今回の買収は、ニーマン・ピック病C型に伴う神経学的症状の治療薬「AQNEURSA」(一般名:レバセチルロイシン)などIntraBio社が持つ専門性を取り込み、米国でのラジカヴァ(エダラボン)事業の基盤を活用した希少神経疾患事業拡大を目的としたもの。
塩野義製薬は、感染症以外の重点領域として希少疾患の強化・確立に取り組んでおり、本年4月より筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「エダラボン」(米国製品名:ラジカヴァ、日本製品名:ラジカット)のグローバル販売を開始し、事業基盤の構築を進めている。
IntraBio社買収は、希少疾患における新たな製品と希少疾患に対する専門性の獲得を通じて、将来の事業拡大を実現するための戦略的な事業投資だ。
IntraBio社は、希少な神経変性疾患および遺伝性神経疾患を対象とした医薬品の研究・開発・販売に特化したバイオ医薬品企業である。
リソソーム機能や細胞内カルシウムシグナリングの調節に着目した低分子医薬品の開発を強みとし、有効な治療選択肢が限られる希少疾患においてアンメットメディカルニーズへの対応を目指している。これらの強みを背景に、AQNEURSAを複数の希少疾患に対する治療薬として開発している。
同買収により塩野義製薬は、AQNEURSAおよびその関連化合物の知的財産および販売権を含むグローバルでの全権利を取得する。AQNEURSAは、ニーマン・ピック病C型(NPC)に伴う神経学的症状の治療薬として欧米で承認されており、米国で販売が開始されている。
加えて、本年9月18日には、世界で初めて毛細血管拡張性運動失調症(Ataxia-Telangiectasia:A-T)に対する治療薬として、米国FDAによる承認を取得している。なお、欧州においてもAQNEURSAは、A-Tに対する治療薬として適応追加の申請が実施されている。
塩野義製薬は、米国において、ALS治療薬ラジカヴァの事業展開を進めており、希少疾患における知見および事業基盤を有している。AQNEURSAは希少神経疾患を対象とする治療薬であり、買収完了後はラジカヴァで築いた事業基盤を活用して、AQNEURSAを必要とされる患者に、早期かつ確実に提供していく。
加えて、IntraBio社から希少疾患に精通した人材とノウハウの獲得により、希少疾患に対する専門性を強化する。これにより、塩野義製薬が開発を進めている脆弱X症候群やJordan症候群、ポンペ病など希少疾患に対する開発品ならびに研究初期段階の開発候補品など、多くのアセットの研究開発を加速し、新たな治療選択肢の早期提供に取り組んでいく。
