抗PD-1抗体「キイトルーダ」 再発卵巣がんに対する適応追加承認取得 MSD

 MSDは16日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」について、日本国内で白金系抗悪性腫瘍剤抵抗性の再発卵巣がんに対する適応追加承認を取得したと発表した。
 卵巣がんの約9割は、卵巣の表面を覆う上皮(表層上皮)に発生する上皮性腫瘍だ。現在、公的な指針として定められている検診はなく、初期の段階には症状が出にくいため、見つかったときには進行していることが多い。
 国内では、2023年の診断数は1万2926人で、2024年には5116人が亡くなっている。卵巣がんに対しては、主に白金系抗悪性腫瘍剤を中心とした化学療法が実施されているが、白金系抗悪性腫瘍剤抵抗性の再発卵巣がんに対する治療選択肢は限られている。
 今回の適応追加承認は、1または2レジメンの化学療法歴を有するプラチナ製剤抵抗性の組織学的に確認された上皮性卵巣がん、卵管がんまたは原発性腹膜がん患者さん643例(日本人37例を含む)を対象とした、国際共同無作為化二重盲検P3試験(KEYNOTE-B96試験)結果に基づくもの。
 同試験は、キイトルーダと他の抗悪性腫瘍剤(パクリタキセル±ベバシズマブ)との併用療法の有効性および安全性を、プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を対照として検討するもので、主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)であった。
 試験結果から、中間解析時のデータ(2024年4月3日カットオフ)では、キイトルーダと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を実施した群でのPFSの中央値は8.3カ月(95%信頼区間[CI], 7.2-8.6)、プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を実施した群では6.4カ月(95%CI, 6.2-8.1)で、疾患進行または死亡のリスクは30%低下し(ハザード比[HR]=0.70 [95% CI, 0.58-0.84]; p<0.0001)、キイトルーダ®使用群はPFSを有意に延長した。
 また、最終解析時のデータ(2025年9月5日カットオフ)では、キイトルー®と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を実施した群でのOSの中央値は17.7カ月(95% CI, 15.2-19.2)、プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を実施した群では14.0カ月(95%CI, 12.5-15.6)で、死亡のリスクは18%低下し(HR=0.82 [95%CI, 0.69-0.97]; p=0.0115)、キイトルーダ®使用群はOSを有意に延長した。
 安全性については、安全性解析対象例320例中313例(97.8%)(日本人22例中21例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、貧血159例(49.7%)、末梢性ニューロパチー124例(38.8%)、脱毛症121例(37.8%)、疲労113例(35.3%)、悪心100例(31.3%)、鼻出血94例(29.4%)、下痢93例(29.1%)、好中球数減少92例(28.8%)、白血球数減少75例(23.4%)および好中球減少症73例(22.8%)であった。

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