「アムシェプリ」のP4試験は順調に進捗 復配は中間決算時に方向性を 木村徹住友ファーマ社長

木村氏

 住友ファーマ6日、東京都内で社長会見・記者懇談会を開催し、木村徹代表取締役社長がiPS細胞由来パーキンソン病治療薬「アムシェプリ」について、「京⼤医学部附属病院で被験者登録が始まった」と報告。製造販売後臨床試験(P4試験)が順調に進捗していることを強調した。木村氏は、アムシェプリの「第10回バイオインダストリー大賞」受賞にも触れ、「大きな賞を頂き、皆様からの期待の高さを実感した。しっかりと本承認に繋げて患者さんに届けたい」と抱負を述べた。
 売上収益1295億円(対前年同期比19.9%増)、コア営業利益181億円(同11.0%減)を計上した2026年度第1四半期業績(コアベース)についても「想定を若干上回った」と感想を述べ、復配は「中間決算時には方向性を出す」考えを示した。
 8月3日及び7日付けの米国のGotham City Research(GCR)のレポートに対しては、「空売りファンドの的が外れたレポートで、株価に大きな動きはなかった。株主の皆さんも冷静に反応されていると感じた」との認識を明らかにした。また、国内営業部門において本年6月にMASHに対する追加承認を取得したウゴービに関しては、「本邦初のMASH治療薬なので、この薬剤を必要とするできるだけ多くの患者さんに使っていただけるようにノボと進めていきたい」と期待を寄せた。
 会見で木村氏は、2年前の社長就任時を振り返って当時の大きな業績不振を招いた原因について、「ラツーダ(非定型抗精神病薬)という大谷選手に匹敵するものの後に、また大谷選手を探そうとした背景があった」と改めて分析。
 その上で、「現在、オルゴビクス(進行性前立腺がん治療剤)とジェムテサ(過活動膀胱治療剤)という二人の大谷選手ができつつあるかもしれないが、しっかりと足元を見ながら継続的に会社が維持発展できる形で会社運営をしていきたい」と述べた。
 その具体例として「アムシェプリ」や、開発中の抗がん剤「ヌビセルチブ」(骨髄線維症)および「エンゾメニブ」(急性骨髄性白血病)を列挙。「2剤の抗がん剤は、何ビリオンにも上る領域ではない。小さな領域をしっかり押さえて、継続性が担保できる進め方をしたい」と再度訴求した。
 本年3月6日に条件及び期限付承認を取得し、5月20日に薬価収載されたアムシェプリのP4試験は、今年中に1~2人の移植を実施し、2027年度に10例程度、28年度に10〜20例程度に移植し、29年度前半には35例全ての移植を完了する予定だ。
 エンゾメニブは、KMT2A再構成R/R AML
及びALLはFY2026 3Q頃に予定している中間解析の結果をもとに、速やかな日⽶での製造販売承認申請を目指す。 NPM1変異R/R AMLは、FY2026 4Qまでに中間解析用の症例登録を完了する予定である。
 配当について木村氏は、「我々が想定通りの今年度の結果が出てくる、あるいは今後の事業が安定する見込みができた時点で復配したい」と明言。加えて、「日本の薬価、米国トランプ政権の薬価政策という非常に流動性の高い事象も並行して進んでいるため、それも含めてもう少し様子をみたい」とした上で、「中間決算時には方向性が出せればと思っている」と語った。
 また、GCRのレポートに関しては、「ちょうどIRで米国の投資家回りをしていたタイミングで出された」と報告。
 その上で「投資家との面談で話題に上ったが、空売りファンドの書いたものなので皆さん気にしておられず、『会社としての立場をしっかり示すべき』とのアドバイスを頂いた」と明かし、「きっちりと反論した」と言い切った。

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