ウェイリズ 免疫性血小板減少症で製造販売承認取得 サノフィ

 サノフィは19日、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤「ウェイリズ」について、免疫性血小板減少症における製造販売承認を取得したと発表した。対象は、既存治療で十分な効果が得られない成人に対し「持続性及び慢性免疫性血小板減少症」。同承認は、LUNA 3試験(国際共同P3試験)の結果に基づくもの。同試験は、既存治療で効果不十分な成人の持続性または慢性 ITP 患者を対象に実施され、主要評価項目および主要な副次評価項目を達成した。
 ウェイリズは多面的な免疫調節を通じ、複合的な免疫調節異常を背景とした免疫性血小板減少症(ITP)の病態そのものに働きかけることが期待されている。 ITPは、免疫応答や全身性の炎症を引き起こす自然免疫ならびに獲得免疫が関わる複合的な免疫調節異常を伴う疾患で、血小板破壊の亢進および血小板産生の障害に伴う血小板数の減少(100,000/µL未満)を特徴とする。免疫系の関与が明らかになったことを受け、近年では「免疫性血小板減少症」と呼ばれるようになったが、以前は「特発性血小板減少性紫斑病」という名称で知られていた。 ITPは、皮下出血から脳内出血などの生命を脅かす可能性がある出血まで様々な部位で出血リスクがあるほか、治療に伴う動脈・静脈血栓症のリスクもある。
 さらに、血小板数の減少に加えて、倦怠感、不安やうつ症状、認知機能の低下などQOLに影響を及ぼすことが報告されている。
 ウェイリズは、多面的な免疫調節を介して ITP の病態に働きかけることを目指した世界初の可逆的共有結合型BTK 阻害剤である。B細胞、マクロファージ、自然免疫細胞などで発現する BTK は、様々な免疫介在性の病態形成過程や炎症経路において重要な役割を担っていると考えられている。
 同剤は、サノフィの持つTAILORED COVALENCY技術を応用することで、標的である BTK を選択的に阻害する。これにより、B細胞シグナル経路の抑制を介した自己抗体産生の低減や、マクロファージによる血小板破壊の抑制に加え、抗炎症作用が期待される。
 また、標的以外に作用することで生じる副作用も低減できる可能性がある。B 細胞およびマクロファージを含む免疫系に働きかけることでITPの原因となる免疫異常に対して多面的に作用し、病態そのものにアプローチすることが期待されている。

◆加藤恒大阪大学医学部附属病院 輸血・細胞療法部 病院教授のコメント
 ITP 患者さんにとって血小板を正常に近づけ、出血を心配することなく生活を過ごせることは極めて重要であるが、さらに最近では ITP疾患そのもの、または治療に伴う倦怠感といった様々な症状についても関心が高まっている。ウェイリズは多面的な免疫調節作用を発揮し、ITP 病態のより根源へアプローチする新しい作用機序で、血小板数の改善のみならず、患者さんのQOL向上も含めたより高いレベルの疾患制御を実現し得る新たな治療選択肢となることが期待される。

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