品質管理に用いる「HPLC分析前処理自動化装置」 実用化に向け始動 ロート製薬

HPLC分析前処理自動化装置(ロートグループ品質検査センター(大阪府茨木市))

 ロート製薬は20日、アラインテックと共同で開発した品質管理に用いる「HPLC(液体クロマトグラフィー)分析前処理自動化装置」が、実用化に向けてロートグループ品質検査センター(大阪府茨木市)で稼働確認を開始したと発表した。
 同自動化装置の開発は、医薬品等に求められる高い品質管理の実現と労働人口の減少に伴う技術者不足や働き方の変革への対応を目的としたもの。
 HPLCは、液体を移動相として用い、カラム内の充填剤との相互作用の違いを利用して、混合物中の成分を高精度かつ高速に分離・定量する分析手法で、製造された製品に含まれる有効成分の量を測定し、規格どおりに配合されているかを確認するために用いられる品質管理上の重要な分析方法だ。
 少子化に伴う労働力不足が社会課題となる中、ロート製薬は、高品質な製品を安定的に提供し続けながら、人がロボットでは代替しにくい「考えること」や「新たな価値を創造すること」といった、より高度で付加価値の高い業務に注力できる環境の実現を目指している。HPLC分析前処理自動化装置の開発もその一環として取り組まれたもの。
 また、同社では顧客の多様なニーズに応えるため、幅広い製品を少量多品種で生産を行っている。そのため、同装置の開発においても、多様な製品や試験条件に柔軟に対応できることも重視した。
 近年、医薬品業界では品質管理の重要性が改めて強く認識されている。試験業務においては、従来、作業が適切に実施されたことの確認手段が紙や電子記録を中心としており、実際の作業手順や操作状況を客観的に示すには課題があった。
 HPLC分析前処理自動化装置は、一般的に対象工程、対象品目を限定して製作されることが多い中、全自動で少量多品種の検体に対応し、多様な分析法を連続してスケジュール運転できるのが特長だ。
 装置起動後は作業完了まで人手を介することなく、検体・ガラス容器・溶媒をストッカーで一元管理し、前処理からHPLC分析前のバイアル充填までを自動で行う。
 また、QR コードによる検体・器具・溶媒の管理によりトレーサビリティを確保するとともに、権限設定に基づく操作履歴や標準品・検体がマスター設定どおりの操作条件及び容量で処理された記録を保存する。
 さらにホールピペットやメスフラスコの標線合わせ画像を保存することで、監査証跡にも対応している。加えて、器具をワンウェイで使用する設計により、コンタミネーションリスクの低減にも配慮している。
 同装置導入により、技術者の習熟度にかかわらず、標準化された試験操作が可能となり、熟練者の技術に依存しにくい品質管理体制の構築に加え、試験操作に関する教育時間の削減にも貢献する。

メスフラスコの標線合わせ(目的の容量に合わせる)
ロボットアームが転倒混和し、中身の試料を溶解する様子
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