フィジカルAI活用「ヒューマノイド開発プロジェクト」始動 ロート製薬

 ロート製薬は31日、フィジカルAIを活用した「ヒューマノイド開発プロジェクト」を始動したと発表した。
 同プロジェクトは、 「ロートグループ総合経営ビジョン 2030 Connect for Well-being」のもと働く人のウェルビーイング向上と次世代ものづくりを目的としたもので、今後、実証を進めていく。
 サイバーフィジカルシステム(CPS)を実装する上野テクノセンターを実証の場とし、フィジカル AI とデータの循環を通じて環境変化に適応できるものづくりを確立するとともに、将来的にはヒューマノイドが製造現場で人と協働する最適モデルの導入を目指す。
 ロート製薬では、製造品目・生産量の増加やサプライチェーンの複雑化など、変化する製造環境に対応しながら、社員一人ひとりがいきいきと働ける環境づくりを推進している。

上野テクノセンター

 その一環として、「人と環境にやさしいスマート工場」をコンセプトとした上野テクノセンターを中心に、IoT やセンサ技術を活用した CPS を実装し、工場内の最適化を進めてきた。
 同プロジェクトは、これまでの CPS 基盤がある同社だからこそできるフィジカル AI を活用したファクトリーオートメーションの推進を通じて、製造現場における作業負荷の軽減と生産性向上の両立を図るとともに、働く人がより付加価値の高い業務へシフトする新しいものづくりモデルの構築を目指す。

 具体的には、「軽量物の自動搬送」、「安全巡回や案内の連絡業務」、「ライン切替時の監視業務」、「箱詰めのライン補助業務」の範囲で段階的にフィジカルAIの導入を進める。 また、これまで構築してきた CPS 基盤を活用し、物理空間とデジタル空間を連動させた環境において実証と改善を高速で回しながら技術を蓄積し、安全性と実効性を検証していく。
 従来のロボットがあらかじめ定義された動作を正確に繰り返すのに対して、フィジカル AI は変化を前提に環境と相互作用しながら最適な振る舞いを導き出していく技術へと進化している。海外ではフィジカル AIの活用が加速している一方、日本では安全性や運用面への慎重さから実装事例は限定的だ。ロート製薬は、上野テクノセンターに本プロジェクトを推進する体制を整備し、今後、外部の先端技術や専門人材との連携も視野に実証を迅速に進める。
 同プロジェクトを通じて、単に働く人の役割をフィジカルAIに置き換えるのではなく、人の可能性をさらに広げる現場を作り出し、「人が中心にある」と考える企業として、働く人のウェルビーイング向上と持続可能なものづくりの実現に挑戦していく。

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