EPP・XLP経口治療薬「MT-7117」 P3試験で主要評価項目達成 田辺ファーマ

 田辺ファーマは30日、開発中の赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)およびX連鎖性プロトポルフィリン症(XLP)経口治療薬「MT-7117」(一般名:デルシメラゴン、選択的メラノコルチン1受容体作動薬)の国際共同P3試験(INSPIRE試験)において要評価項目を達成したと発表した。
 初期の前兆症状が現れるまでの平均日光曝露時間が、統計的に有意かつ臨床的に意味のある延長を示したもの。同結果は、3月28日のAmerican Academy of Dermatology(AAD2026)で公表された。デルシメラゴンは、FDAよりファストトラック指定およびオーファンドラッグ指定を受けている。これは、重大なアンメット・メディカル・ニーズと有意義な治療効果の可能性が認められたもので、田辺ファーマは、FDAへのローリング方式での新薬承認申請(NDA)の準備を開始している。
 INSPIRE試験では、EPPまたはXLPの12~75歳の成人および青少年165名が登録されている。これまでに、デルシメラゴンはEPPまたはXLPの410名参加者を対象に臨床試験が実施されている。
 主要解析では、12~16週におけるプラセボと比較した初期の前兆症状が現れるまでの平均日光曝露時間が、統計的に有意かつ臨床的に意味のある延長を示した(プラセボ調整後の最小二乗平均差は23.19分(p=0.004))。16週時点では、その効果が29.64分(p=0.004)にまで増加した(補足的解析)。
 副次評価項目も達成されており、患者による全体的変化印象(PGIC)および総疼痛イベント数の減少について、プラセボと比較して統計的に有意な差が認められた(PGIC:-1.83、p<0.001;総疼痛イベントの減少:39%、p=0.004)。これらの結果は、主要評価の結果が臨床的に意味があることを補足するものである。
 同剤は、良好な忍容性を示し、MC1Rアゴニストとして知られている作用機序と一致する安全性プロファイルを示した。プラセボより多く発生した有害事象の中で、最も多かったものは色素性母斑(メラノサイト性母斑)、頭痛、吐き気、下痢、皮膚の色素沈着。これらはいずれもMC1Rアゴニスト作用に関連するものとして知られている。

 EPPおよびXLPは、ヘム生合成経路の障害によって生じる、重篤かつ生涯にわたる遺伝性疾患で、日光や一部の人工光への曝露後に、激しい痛みを伴う光毒性反応を引き起こすのが特徴だ。症状は曝露から数分以内に発生することがあり、多くの場合、幼少期から始まり、患者が学校や仕事、日常生活に参加することを大きく制限します。成人向けの治療選択肢は依然として限られており、青少年向けには承認された治療法はない。

◆マサチューセッツ総合病院ポルフィリアセンター共同創設者・共同ディレクターでのAmy Yueng氏(MD, MSc)のコメント
 今回のP3試験結果は、EPPおよびXLP患者において、疼痛が生じる前の光耐性に臨床的な改善が認められたことを示している。
 EPPおよびXLPの患者さんは、日々、光に対する耐性の低さに苦しんでいる。今回の試験結果は、彼らにとって新たな治療選択肢となり得る可能性を示唆するものである。

◆原田明久田辺ファーマ代表取締役CEOのコメント
 INSPIREの発表は、深刻な日々の負担と大きなアンメット・メディカル・ニーズに直面し続けているEPPおよびXLPの患者さんにとって、重要な節目となるものだ。
 デルシメラゴンは、EPPおよびXLP患者に対して、P3試験で臨床機能的効果を示した初めての経口治療薬であり、承認されればこれらの患者さんにとって初の経口治療選択肢となる可能性がある。INSPIRE試験で得られた良好なデータを踏まえ、デルシメラゴンの新薬承認申請に向けて、さらなる展開を期待している。
    

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