
JCRファーマの薗田啓之社長は13日、2025年度決算説明会で会見し、「導入品を含む国内売上、技術ライセンス収入、ライソゾーム病(LSD)パイプライン導出による海外収益を柱に、2030年代、売上高1000億円企業を目指したい」と訴求した。
薗田氏は、「今の規模では、グローバルで1~2製品の希少疾患治療薬を開発していくのが精一杯である。その一方でたくさんの希少疾患でのアンメットメディカルニーズが存在する」と指摘。その上で、「我々の存在価値は、どれだけの希少疾患治療薬が開発できるか、もしくは新薬開発のベースとなる新たなプラットフォームが開発できるかにある」と言い切り「3つの柱をきちんと育てて収益を上げ、新しい研究開発ができる会社に育てていきたい」と抱負を述べた。
国内売り上げは、国内製品、再生医薬品の開発・製造受託(CDMO)、イタルファルマコからの導入品「ジビノスタット」(デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬)の拡大に尽力する。
技術ライセンス収入では、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」や、アデノ随伴ウイルス(AAV)を利用した独自の「JUST-AAV」のプラットフォーム技術に磨きをかけ、積極的なライセンス契約を展開する。
LSDパイプライン導出においては、同社は海外市場を見据えたJ-Brain Cargo技術を適用したライソゾーム病治療薬を開発しており、JR-141(ムコ多糖症Ⅱ型(ハンター症候群)、Ph3)、JR-171(ムコ多糖症Ⅰ型(ハーラー症候群等)、Ph1/2)、JR-441(ムコ多糖症ⅢA型(サンフィリッポ症候群A型)、Ph1/2)、JR-446(ムコ多糖症ⅢB(サンフィリッポ症候群B型)、Ph1/2)など、17品目のパイプラインを擁している。
JCRファーマの2025年度連結業績は、売上高403億1900万円(対前年比21.9%増)、営業利益5億5500万円(前年は62億1900万円の赤字)、経常利益11億6500万円(70億4600万円の赤字)、当期純利益21億7800万円(44億6000万円の赤字)となった。
売上高では、ムコ多糖症Ⅱ型治療剤「イズカーゴ」が対前年比18.3%増の67億6600万円と好調に推移。遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」は昨年4月の薬価改定の影響で減収となったものの、製品売上は好調に推移した。契約金収入も増加した結果、増収となった。
また、積極的な研究開発活動に加えて、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬「ジビノスタット」の日本における開発・商業化における独占的ライセンス権のイタルファルマコから取得に伴う契約一時金計上の結果、研究開発費は8.6%増加し167億6100万円(前期比13億3000万円増)となった。
2026年度の研究開発費は193億円(15.1%)を見込んでいる。JCRファーマ単独でグローバル開発しているJR-141(ムコ多糖症Ⅱ型(ハンター症候群)のグローバル試験の費用が大きく、現在の収益構造になっている。
2026年度業績予想は、売上高457億円(対前年比13.3%増)、営業利益11億円(98.2%増)、経常利益5億円(57.1%減、当基純利益2億円(90.8%減)。
経常利益および当期純利益は、前期に計上した為替差益、有価証券売却益、助成金収入の計上を2026年度は見込んでいないため減益となる見込である。
