バイエル薬品は23、MRI造影剤「アムベルビスト」(ガドクアトラン)について、厚労省より製造販売承認を取得したと発表した。
同剤は、高緩和能を有する新規の環状型ガドリニウム造影剤(GBCA)で、成人および小児(新生児を含む)患者を対象に、MRI検査における脳・脊髄および躯幹部・四肢の造影を効能・効果として承認された。
日本で利用可能な環状型MRI造影剤の中で最もガドリニウムの含有量が少なく、ガドビスト等の既存製品と比較してガドリニウム用量で60%の低減に相当し、診断能を維持しながら1回の検査あたりのガドリニウムの曝露量を低減することが可能となる。
保健当局のガイダンスや関連学会などが診断に必要な最低用量のガドリニウムの使用を推奨していることを考慮すれば、日本を含む世界において低用量ガドリニウム造影剤に対する需要があると考えられる。
人口の高齢化が進み、がんや心疾患などの慢性疾患が増加している日本では、国民一人当たりのMRI検査台数が世界最多となっている。ガドクアトランは、日本で初となる低用量ガドリニウム造影剤だ。同承認は、ガドクアトランに関する臨床開発プログラム、特にP3相ピボタル試験(QUANTI試験)およびP1/3相QUANTI Pediatric試験に基づくもの。
◆工藤與亮北海道大学大学院医学研究院放射線科学分野画像診断学教室教授のコメント
すべての医薬品は、必要とされる効果が得られる最低限の用量で投与されるべきであり、MRI造影剤も例外ではない。患者さんの生涯にわたるガドリニウムの曝露量を減少させることは、重要な検討事項である。
このことは、繰り返しMRI検査が必要とされるがんや心血管疾患などの慢性疾患患者さんや、腎機能が低下している患者さん、小児の患者さんにとって特に意義がある。
ガドクアトランは、画像診断のクオリティを維持しながらガドリニウム用量を大幅に削減できるため、患者さんのための医療を推進する上で非常に価値のある選択肢となる可能性がある。
◆コンスタンツ・ディーフェンバッハ バイエル社ラジオロジー研究開発責任者のコメント
アムベルビストに対して初となる今回の承認は、幅広い臨床使用における診断価値を裏付ける説得力のある臨床データに基づいている。
日本で承認された包括的な適応症は、あらゆる患者集団と年齢層を網羅しており、異なる患者集団に対する代替薬剤の必要性を低減する。この高緩和能を有するMRI造影剤は高いキレート安定性を示し、診断目標を達成する低用量ガドリニウムの選択肢として進化するニーズに応えている。
これはまた患者さんと治療医が健康に関する明確な答えを得られるように支援するイノベーションによって、放射線医学の進展に貢献するという私たちのコミットメントを示している。

