
大阪府薬剤師会は4日、定例記者会見を開催し、乾英夫会長が佳境を迎える衆院選について、「8日の投開票日に向けて、大阪府薬では薬剤師のとかしきなおみ候補が出馬する第7区において薬局や会員向け活動を展開して重点的に応援している」と報告。
さらに、戦況として「高市首相人気の追い風も踏まえて、前回の衆院選よりも間違いなく市民に対する反応がある」と手応えを示し、「本日開催する田村憲久元厚労大臣、本田あきこ参議院議員らが参加するZOOMミーティングなどSNSを活用しながら、この盛り上がりを最後まで持続させ、とかしき候補をしっかりと国政に復帰させたい」と訴求した。

乾氏は、京都2区から出馬している薬剤師のフジタ洋司候補にも言及し、「同じ薬剤師仲間として是非当選してほしい」とエールを送った。
また、昨年11月25日から12月12日まで実施した大阪府薬の第5回「医薬品の流通状況アンケート」調査結果の総括として、「昨年と比べると供給状況は少し改善している感はあるものの、供給不安定に陥る前の状況には程遠い結果となった」と明言。
その上で、「不足する医薬品の種類が変化しながらの流通不足が続いており、依然として必要とする患者さんに医薬品を安全・安心に供給できていない」と強調した。
2月2日に発売された一般用医薬品の緊急避妊薬については、「全国で7020件、大阪で658件の薬局で受け入れ体制が整えられた」と報告し、「地域の薬局・薬剤師がしっかりと職能を発揮できるように、大阪府医師会、大阪府産婦人科医と連携しながら対応していきたい」と語った。
第5回「医薬品の流通状況アンケート」調査は、大阪府内の全会員保険薬局3452軒にWeb形式で実施し、1729軒が回答した。回答率は50.09%で、今回初めて50%を超えた。
2020年初旬から新型コロナ感染症が蔓延し対処療法薬の不足、原薬不足により製造できない状況に加え、2020年12月の小林化工の抗真菌薬への異成分混入事故を皮切りに後発品会社の不祥事、品質管理違反に対する製造停止などの行政処分が相次いで起こり、多数の医療用医薬品不足に陥った。現在も、2322品目の医薬品が限定出荷・供給停止になっている(2025年の医療用医薬品供給状況報告より)。こうした中、羽尻昌功常務理事は、「今回の第5回アンケート調査においても、医薬品供給不足の状況が未だ続いていることが確認された」と話す。
具体的には、後発医薬品が発注通り納品されている薬局は1729件中わずか19件であり、「約84%以上の薬局が供給不安定で調剤業務に支障がある」と回答。先発医薬品においては、「70%の薬局が供給不安定で調剤業務に支障がある」との結果を得ている。

医療用医薬品の品目に関する入手状況の設問では、62.5%の薬局が「鎮咳剤が入手困難」と回答しており、不足品目は、1位:鎮咳剤(1081軒)、2位:去たん剤(705軒)、3位:抗生物質製剤(608軒)の順となり、これらは高い割合であった。抗生剤は、アモキシシリンの不足が要因になっているものと考えられる。「昨年同様、感染症への対応においては、抗菌スペクトルを鑑みた処方に対して適切な薬物治療が行えているのか心配される」(乾氏)結果となった。
また、今回の調査では、昨年11位であった降圧剤が4位に浮上した。アテノロール(β遮断薬)不足がその要因となっている。その一方で、昨年3位であった総合感冒剤は7位に後退している。これらの結果から、不足する品目は変化しながら依然として医薬品供給不足が続いている現状が把握できた。
選定療養については、患者への説明に要する時間は平均5分であり、「薬局において説明するまで全く理解できていなかった方が多い」と答えた薬局は64%であった。この結果から「国民への周知は進んでいないと考えられる」と考察する羽尻氏。さらに、「今後の法改正により、薬局における患者への説明がこれまで以上に求められると予想される。薬局において、患者が納得して薬剤を選択できるように円滑に説明を行うためにも、国、保険者等にも選定療養費制度の周知を強く要望したい」と訴えかけた。
さらに、「薬局薬剤師はこのような事態を数年に渡り、繰り返し日々対応しているとともに、選定療養費の仕組みも加わり、患者の不安、不信感・不満を受けて対応している。こうした不本意な患者対応の繰り返しが重なることで疲弊し、職務を十分に果たせていないのではないかと心理的な不安を抱いている」と指摘。
その上で、「一日も早く、供給不安定に陥る以前の安定供給が確保されていた状態に戻し、医薬品提供が行えるよう、強く関係各位の迅速・適切な対応を切望する」と訴えかけた。
他方OTCの緊急避妊薬販売に対応できる店舗数は、大阪府658軒、兵庫320軒、京都55軒、滋賀102軒、奈良44軒、和歌山36軒、福井40軒、三重102軒、東京655軒、神奈川521軒、全国で7020軒(2026.1.31現在)。大阪府薬では、「緊急避妊薬販売薬局等名簿」と「連携医療機関名簿」の取り交わしが終了し、昨年12月23日付けで大阪府医師会との包括連携体制構築が完了している。
その他、会見では、大阪府薬が昨年12月に実施した「処方箋集中率と地域貢献の関連性に関する緊急調査」結果についても報告された。同調査は、昨年末の中医協の来年度改定議論において、「都市部にある特定の医療機関からの処方箋集中率が高い薬局は、運営が効率的で小規模乱立の状況も含め、適正化の必要がある」との指摘に対して、その実態を検証するために実施されたもの。
調査結果より、大阪府(都市部)の会員薬局においては処方箋受付回数または集中率に拘わらず、いずれも薬局種々の地方貢献を行っており、地域期医療を支えていることが判明した。乾氏は、「政令指定都市、中核市及び一般市を比べた評価結果においても、特異差は認められず、会員薬局の地域貢献、地域連携が判る結果となった」と総括した。

