NECグループは10日、個別化がんワクチン 「NECVAX-NEO1」について、P1試験において安全性と免疫原性を確認し、固形がんに対する臨床でのPoC (Proof of Concept)が得られたと発表した。 これらの解析結果は、本年12月10~ 12日に英国ロンドンで開催されるESMO免疫腫瘍学会2025でポスター発表される。
NEグループが開発しているNECVAX-NEO1は 、最先端のAIと機械学習技術を用いたバクテリアベースの個別化がんワクチンである。同ワクチンは、患者の免疫系を活性化し、患者ごとに異なるがん細胞特有のネオアンチゲンを標的として攻撃するT細胞応答を促すように設計されている。
2024年のESMO免疫腫瘍学会では、皮膚がんの一種であるメラノーマ悪性 色 )、腎細胞がん、頭頸部がんのいずれかにり患し、CPI治療を3カ月以上受けている患者5人を対象にNECVAX-NEO1を投与し、安全性の確認を行った結果を発表した。
昨年12月までに 、低用量のNECVAX-NEO1投与に関連する有害事象は報告されず、現在は高用量のワクチン投与に移行している。今回の学会では、新たに1人の患者にワクチンを投与し、これにより得られた合計6人の患者における 全性と免疫原性に関する評価結果を発表する 。
今回発表する解析結果では、同治療法に関連する有害事象は、引き続き報告されなかった。また、24週間の治療終了後、12週間の追跡期間において、83%の患者は安定(stable disease)状態で、良好な病勢コントロール率を示している。
さらに、 すべての患者において標的として選定したネオアンチゲンの少なくとも一つが免疫原性を示すことをELISPOT 試験において確認した 。なお、現在NECVAX-NEO1は、今回の試験に加えて、リトアニア、ドイツ、スペインで臨床試験を実施している。


