PxDTと共同発明の変調音出力装置 関東地方発明表彰の発明奨励賞受賞 塩野義製薬

2025年11月20日表彰式で、 左から前田氏、、高澤氏、長谷氏

 塩野義製薬は28日、ピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)と共同開発し特許取得した発明「ガンマ波を誘発する変調音出力装置」が、発明協会による2025年度関東地方発明表彰において発明奨励賞を受賞したと発表した。
 地方発明表彰は、各地方における発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与することを目的に大正10年に開始された発明協会の顕彰事業である。
 全国8地方ごとに、優秀な発明・考案・意匠の完成者、実施化に尽力した人、指導・育成・奨励に貢献した人を顕彰し、特別賞(文部科学大臣賞、特許庁長官賞、中小企業庁長官賞 等)や発明奨励賞などが贈呈される。
 近年、40 Hz周期の音・光刺激で脳内ガンマ波の誘発を目指す研究が国際的に注目されている。一方で、従来研究で用いられてきた単調なパルス音(ブザー音)は長時間の聴取が難しく、日常生活への適合性に課題もあった。
 こうした中、同発明は、テレビ等の日常的な音源を入力とし、音声と背景音を分離する。背景音に40 Hzの振幅変調を施したうえで再合成することで、音声の可聴性を保ちつつ、目的とするガンマ波誘発刺激の提供を可能にした。
 これにより、研究用途にとどまりがちだった40Hz周期の音刺激を、生活に取り入れやすい音として設計できる道筋を示した。今回の受賞ポイント受賞内容は次の通り。

【受賞のポイント】

・生活に溶け込む音刺激:テレビなどの日常生活の音をもとに、自然に聴き続けられる40Hz変調音(ガンマ波サウンド)を生成

・ガンマ波誘発効果の科学的検証:本発明の音刺激により、音声の明瞭度を損なわずに脳内のガンマ波を同期させられることを確認

・OI(Open Innovation:オープンイノベーション)×IP(Intellectual Property:知的財産)による新規技術の社会実装:企業間の協創(オープンイノベーション)の成果を、特許という「知財のかたち」で可視化し、製品として社会実装することで産業の向上に寄与

【受賞内容】

・賞名:発明奨励賞(令和7年度 関東地方発明表彰)

・発明名称:ガンマ波を誘発する変調音出力装置(特許第7307929号)

・受賞者:
◆長谷芳樹氏(ピクシーダストテクノロジーズ)
◆高澤和希氏(ピクシーダストテクノロジーズ)
◆小川公一氏(塩野義製薬 創薬疾患研究所)
◆前田佳主馬氏(塩野義製薬創薬疾患研究所)

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