IgA腎症治療薬「VOYXACT」 米国で承認取得 大塚製薬

 大塚製薬は26日、「VOYXACT」(一般名:シベプレンリマブ)」について、進行リスクのある成人のIgA腎症におけるタンパク尿の減少を効能効果として米国FDAより迅速承認を取得したと発表した。同剤は、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)による優先審査が認められていた。
 VOYXACTは、、APRILを標的とする世界初かつ唯一の治療薬で、IgA腎症の発症と進行において重要な役割を果たしているAPRILの作用を選択的に阻害することで、病原性ガラクトース欠損IgA1(Gd-IgA1)の産生を抑制する。自己投与が可能な皮下投与のプレフィルドシリンジ製剤で、患者が4週ごとに在宅投与できる利便性を提供する。
 同承認は、P3試験(VISIONARY試験)の中間解析に基づくもの。シベプレンリマブ投与9ヵ月後(n=320)の24時間尿におけるuPCR(尿蛋白/クレアチニン比)のプラセボ群と比較した変化率は、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある51.2%(P<0.0001)の減少を示した。
 タンパク尿の減少は腎機能悪化遅延と相関する代替マーカーであり、IgA腎症の臨床試験において迅速承認を支持するエンドポイントとして使用されている。
 同適応は、タンパク尿の改善に基づき、迅速承認制度により承認されている。VOYXACTがIgA腎症患者において、長期的に腎機能の低下を抑制するかどうかは、まだ確立されていない。進行中のVISIONARY試験では、VOYXACTが疾患の進行を抑制するかどうかを、eGFR(推算糸球体濾過率)の24ヵ月時点での低下を指標として評価する。VISIONARY試験において臨床的有益性が検証されることが、同適応症に対する継続的な承認の条件となる可能性がある。 eGFRのデータは2026年初頭に得られる予定で、FDA承認を裏付けるために使用される見込みである。

◆John Kraus大塚製薬米国子会社(OPDC)上級副社長兼医学責任者のコメント
 VOYXACTは、IgA腎症の患者さんが直面する進行性で治療が困難な疾患に対する新たな標的療法である。本剤は、標的メカニズムに基づく高い有効性と安全性プロファイル、さらに4週に1回の投与という利便性を兼ね備えており、患者さんに新たな治療選択肢を提供する。我々は、IgA腎症治療における新たな選択肢の必要性を強く認識している。

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