小野薬品は20日、BRAF阻害剤「ビラフトビ」(一般名:エンコラフェニブ)について、結腸・直腸がんに対する併用療法の一部変更承認を取得したと発表した。
対象は、「抗ヒトEGFRモノクローナル抗体であるセツキシマブと化学療法との併用療法による、BRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん(CRC)」。
今回の承認は、国際共同P3試験であるBREAKWATER試験(ONO-7702-03/C4221015)の結果に基づくもの。同試験の無作為化P3相パートでは、主要評価項目の1つである盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による奏効率(ORR)において、ビラフトビ、セツキシマブおよびFOLFOX(5-FU/レボロイコボリン/オキサリプラチン)の併用療法(ビラフトビ併用療法群)は化学療法群と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した(60.9% vs 40.0%;p=0.0008)。
また、もう一つの主要評価項目であるBICRの評価による無増悪生存期間(PFS)において、ビラフトビ併用療法群は化学療法群と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示した(PFS中央値:12.8カ月 vs 7.1カ月;ハザード比0.53;95%信頼区間:0.407 – 0.677;p<0.0001)。
同試験におけるビラフトビ併用療法群の安全性プロファイルは、これまでに報告されている各薬剤のものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。
CRCの適応症に関して、2020年11月にビラフトビは、MEK阻害剤であるメクトビ(一般名:ビニメチニブ)錠とセツキシマブとの3剤併用療法、およびセツキシマブとの2剤併用療法で、がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発のCRCに対する効能または効果で承認されている。
なお、ビラフトビは、2024年6月19日に厚労省より、BRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発のCRCの効能または効果で希少疾病用医薬品に指定されている。

