J&Jは28日、T細胞リダイレクト二重特異性抗体「テクベイリ」とDARZALEX FASPROの併用療法について、P3相MajesTEC-3試験において併用療法標準治療と比較しPFS及びOSを有意に延長したと発表した。
MajesTEC-3試験は、1~3ラインの前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象に、テクベイリとDARZALEX FASPRO(一般名:ダラツムマブ[遺伝子組換え]・ボルヒアルロニダーゼ アルファ[遺伝子組換え]製剤)の併用療法による有効性と安全性を、治験担当医師が選択したDARZALEX FASPRO、ポマリドミド及びデキサメタゾンの併用療法(DPd)またはDARZALEX FASPRO、ボルテゾミブ及びデキサメタゾンの併用療法(DVd)と比較評価した試験である。
約3年間の追跡調査において、テクベイリとDARZALEX FASPROの併用療法は、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS、治療を開始してからがんが進行または患者が死亡するまでの期間)を達成し、統計学的に有意かつ標準治療を上回る結果を示した。
また、この最初の中間解析では、副次評価項目である全生存期間(OS)においても、統計学的に有意な結果が示された。
MajesTEC-3試験は、テクベイリとDARZALEX FASPROの併用療法が、現在の標準治療と比較してPFS及びOSを有意に延長することを示した初めてのP3試験である。中間解析で得られた統計学的に有意な結果に基づき、独立データモニタリング委員会(IDMC)は同試験の非盲検化を勧告ました。
テクベイリとDARZALEX FASPROの併用療法の安全性プロファイルは、各製剤の既知の安全性プロファイルと一貫していた。MajesTEC-3試験の結果は今後の主要な学会で発表されるとともに、規制当局に提出される予定である。
◆Maria-Victoria Mateosサラマンカ大学病院血液内科専門医(M.D., Ph.D.)のコメント
テクベイリは、豊富な臨床試験データ及びリアルワールドエビデンスを有し、多発性骨髄腫の後期治療ラインにおいて実績のあるBCMAとCD3 を標的とする二重特異性抗体である。
本試験の結果は、意義のあるPFS及びOSの改善を示しており、テクベイリをベースとする併用療法の早期治療ラインにおける臨床的ベネフィットを示すものだ。テクベイリとDARZALEX FASPROの併用療法は、BCMAとCD38を同時に標的とし、体内の免疫システムを刺激及び活性化し、骨髄腫細胞を死滅させる。

