エンハーツ 術前療法後のHER2陽性乳がんP3試験で好結果 第一三共

 第一三共は29日、エンハーツ(T-DXd/DS-8201、抗HER2抗体薬物複合体[ADC])について、術前療法後のHER2陽性乳がんP3試験(DESTINY-Breast05試験)において好結果を示したと発表した。
 DESTINY-Breast05試験は、術前療法後に乳房または腋窩リンパ節に浸潤性残存病変を有する再発リスクの高いHER2陽性乳がん患者1635名を対象にエンハーツの有効性と安全性をT-DM1(トラスツズマブ エムタンシン)と比較して評価したグローバルP3試験。
 同試験の主要評価項目である無浸潤疾患生存期間*2において、エンハーツ投与群は、T-DM1投与群に対し、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。副次評価項目である全生存期間については、同中間解析時点において十分なフォローアップ期間に達していなかったため、引き続き評価が継続される。
 安全性については、新たな懸念は認められず、同剤の他の試験と同様の傾向であった。同試験結果の詳細は、10月開催予定の欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2025)で公表し、各国・地域の規制当局に共有する予定である。
 第一三共は、術前療法後のHER2陽性乳がん患者への新たな治療選択肢を提供できるよう承認申請に向けた準備を進めていく。

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