大塚製薬は19日、高コレステロール血症治療薬「ネクセトール錠」について、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の適応で、日本国内における製造販売承認を取得したと発表した。
高コレステロール血症患者の中には、スタチンを服用していても管理目標値を達成できていない人(スタチン効果不十分)や、有害事象の出現によって継続服用が困難で、スタチンによる治療が適さない人がいる。同剤は、スタチン効果不十分またはスタチンによる治療が適さない高コレステロール血症患者に対する新たな治療選択肢になるものと期待される。
ネクセトール錠は、エスペリオン社(本社:米国ミシガン州)が創製した新規作用機序を有する薬剤で、肝臓中のコレステロール合成経路においてスタチンの作用点よりも上流にあるATPクエン酸リアーゼに作用し血中のLDL-コレステロールの低下をもたらす。
同剤は米国や欧州をはじめ、世界の複数の地域において、高コレステロール血症治療薬として販売されている。大塚製薬は、2020年4月に同剤の日本国内における独占的開発販売権をエスペリオン社から取得し、開発を進めてきた。
同剤の承認は、大塚製薬が日本国内で実施したP3試験(NCT05683340試験)の結果に基づくもの。同試験は、スタチンの効果が不十分またはスタチンによる治療が適さない高LDLコレステロール血症患者96名を対象に、プラセボ対照、無作為化、多施設共同、二重盲検、並行群間比較試験として実施した。
同剤180mgまたはプラセボを1日1回、12週間経口投与し、同剤の有効性と安全性を評価している。主要評価項目である投与12週目のLDLコレステロールのベースラインからの変化率は、プラセボ群で-3.46%、本剤群で-25.25%と、プラセボ群と比較して統計学的に有意な差(p<0.001)を示し、同剤の有効性が確認された。
安全性と忍容性も良好で、重篤な有害事象は認められなかった。