
日本イーライリリーは10日、認知症の早期対応を啓発する“認知症に早めに対応するための合言葉”として「また、にしない。まだ、にしない。」を考案し、同日発表した。
この合言葉は、認知症の正しい理解と早期対応の重要性が広く社会に浸透するよう、認知症の当事者(本人・家族)、医師、複数の賛同企業・団体が共同で、9月の「認知症月間」に向けて考案したもの。
近年、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」の施行や、新たな治療法の登場、テクノロジーの進化等を背景に、MCI(軽度認知障害)や認知症を取り巻く環境は大きく変化している。
一方、予兆を感じながらも認知症とは気づかず、認知症である可能性に気づいたとしても医師への相談をためらい、診断が遅れ、その間に症状が進行してしまうケースもみられる。実際、日本イーライリリーの実施した調査では、MCIや認知症の当事者が異変に気付いてから医療機関を最初に受診するまでに、4割以上の方が1年以上かかっていた。
こうした現状を踏まえ、「何か変だな」と感じたときに誰もが気軽に早めの一歩を踏み出せる社会を目指し、認知症の早期対応に向けた“心構え”と“行動”を促す合言葉を考案した。
同合言葉の考案に協力した認知症の当事者から、もの忘れを代表とする初期症状が「疲れのせい」「年のせい」等と受け止められ、受診が後回しになる可能性が指摘された。
そこで、本人も家族も変化に気づきにくい早期の認知症の特性を「気のせいにしない」という視点を持つことが早めの対応への第一歩だと考案。そのため、合言葉は、繰り返し感じる違和感に焦点を当てた表現を用いている。
「“また”疲れのせい、にしない。“また”年のせい、にしない。“まだ”早い、と思わない。“まだ”大丈夫、と思わない。ご自身も、ご家族も、このように“また”、“まだ”、と気のせいにしないでください。」
この合言葉には、誰もが認知症を身近に感じ、早期対応へ踏み出しやすい社会を目指すメッセージが込められている。
啓発ポスターのWebサイトからダウンロードは、https://user.pr-automation.jp/redirect.php?body_link_id=395181&media_id=410601&client_flg=1