経口治療薬「ゲポチダシン」 米国FDAが淋病対象承認申請を優先審査として受理GSK

 GSKは27日、経口治療薬「ゲポチダシン」について、米国FDAが12歳以上(45kg以上)の単純性淋菌感染症(淋病)を対象とする承認申請を優先審査として受理したと発表した。
 米国FDAの審査終了は、本年12月11日を予定している。承認されれば、ゲポチダシンは現在米国で注射による治療が行われている淋病患者に、経口治療の新たな選択肢を提供する。
 ゲポチダシンは、本年3月に「Blujepa」の登録名で、単純性尿路感染症の成人(40kg 以上)および青年期(12歳以上、40kg以上)の女性患者を対象とした経口治療薬として米国FDAより承認されている。
 淋病は、世界保健機関(WHO)が優先病原体2と指定している淋菌を起炎菌とする性感染症で、米国疾病予防管理センター(CDC)によって緊急の公衆衛生上の脅威とされている。
 男女を問わず罹患し、治療が不十分な場合は、不妊症およびその他の性と生殖に関する健康障害につながる可能性がある。CDCによると、2023年に米国で報告された淋病の症例数は60万件を超え、同国で2番目に多く報告された性感染症となっている。
 現在、米国で淋病感染の予防のためのワクチンは承認されておらず、標準治療は注射剤による治療法であるが、すべての患者に適しているわけではなく、利用できない場合もある。  米国での同申請は、The Lancetに掲載されたP3試験(EAGLE-1試験)結果に基づくもの。同試験では、泌尿生殖器部位での細菌学的成功率において、淋病の主要な併用治療レジメンであるセフトリアキソン(500mgを筋肉内投与)とアジスロマイシン(1,000mgの経口投与)の併用療法の成功率91.2%(186/204、[95% CI 86.4~94.7])であったのに対し、ゲポチダシン(3,000mgを2回経口投与)は92.6%(187/202、[95% CI 88.0~95.8])で、ゲポチダシンの併用療法に対する非劣性が示された。さらに、どちらの治療群でも泌尿生殖器部位に淋菌の残存は認められなかった。
 EAGLE-1試験におけるゲポチダシンの安全性および忍容性プロファイルは、これまでの臨床試験の結果と一致しており、ゲポチダシン投与群および対照群のいずれにおいても薬剤関連の重篤な有害事象はみられなかった。報告された主な有害事象は、軽度または中等度の胃腸障害であった。
 同申請はゲポチダシンの米国における2つ目の主要な適応症に対してであり、また英国とオーストラリアでは単純性尿路感染症の適応症に対する審査が進行中である。
 ゲポチダシンの開発は、米国保健福祉省の戦略的準備・対策局の生物医学先端研究開発局(BARDA)のフェデラルファンドの一部および米国国防総省の国防脅威削減局(DTRA)のフェデラルファンドより資金提供を受けて行われている。
 

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