ヒト成長ホルモンアナログ製剤「ソマプシタン」 国内でSGA性低身長症・ヌーナン症候群低身長の効能追加申請 ノボ ノルディスク ファーマ

 ノボ ノルディスク ファーマは30日、週1回投与の長時間作用型ヒト成長ホルモンアナログ製剤「ソマプシタン」(遺伝子組換え)について、骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症およびヌーナン症候群における低身長の効能追加認申請を厚労省に行ったと発表した。
 ソマプシタンは、長時間作用型遺伝子組換えヒト成長ホルモン (hGH) アナログで、内因性アルブミンとの可逆的な非共有結合により血中からの消失が遅延することで、作用持続時間が延長する。同剤は、「ソグルーヤ」の販売名で、「成人成長ホルモン分泌不全症 (重症に限る)」の効能・効果で 2021 年1月に製造販売承認を取得し、同年12月に発売。また、骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症」では2023年6月に製造販売承認を取得し、2024年2月に発売された。
 今回効能追加として申請をしたSGA性低身長症は、出生時の体重および身長がともに在胎週数相当の10パーセンタイル未満であり、かつ出生時の体重あるいは身長のいずれかが在胎週数相当の「標準値-2 標準偏差 (SD)」未満と定義され、小児期から成人まで身長が低いことが特徴だ。
 また、ヌーナン症候群は、主に常染色体顕性遺伝の疾患で、遺伝子に変異があり、低身長を呈することが多く、小児期を通して成長速度の低下が高頻度でみられる。
 これら2つの低身長患児に対する治療の多くは、毎日の皮下注射を必要とするhGH 製剤である。海外ではhGH製剤の1日1 回注射開始後 1 年間で、66%の小児でアドヒアランス不良が報告されている。
 ソマプシタンは週1回の注射であるため、1日1回投与のhGH 製剤より注射回数を大幅に減らせる。こうした背景から、今回既承認の「成人成長ホルモン分泌不全症 (重症に限る)」、「骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症」に続き、「骨端線閉鎖を伴わない SGA 性低身長症」および「骨端線閉鎖を伴わないヌーナン症候群における低身長」の効能追加を申請した。
 今回の効能追加承認申請は、216人のSGA性低身長症患児および90人のヌーナン症候群における低身長患児、合わせて306人を対象に実施した臨床試験プログラム (REAL)の結果に基づくもの。
 REALプログラム全体を通じて、ソマプシタンの有効性、忍容性および安全性はノルディトロピン (ノボノルディスクのhGH製剤) と同様であった。

◆マルチン ジヒマ ノボ ノルディスク ファーマコーポレートバイスプレジデント開発本部本部長のコメント
 日本で販売されているソグルーヤ皮下注に、新たに骨端線閉鎖を伴わない SGA性低身長症および骨端線閉鎖を伴わないヌーナン症候群における低身長の効能追加承認申請が行われたことを大変嬉しく思う。
 骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症の患者さんと同様に、週6~7回の注射で治療されている小児の患者さんやそのご家族にとって、週1 回の注射で低身長治療が可能になるのは、日々の注射の苦痛から生じるアドヒアランスの低下、それに伴う治療効果の低減という重要な臨床上の課題を解決できる。
 我々は、ソマプシタンに新しく小児の2つの効能を追加し、低身長の治療およびそれに伴うQOL向上に貢献していきたい。

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