長時間作用型抗HIV薬「カベヌバ」 P3b試験で89%のHIV陽性者が経口剤からカベヌバへの切り替え希望 塩野義製薬

 塩野義製薬は24日、長時間作用型抗HIV薬「カベヌバ」について、同剤のP3b試験において89%のHIV陽性者が経口剤から持効性注射剤であるカベヌバへの切り替えを希望していることが判ったと発表した。 同試験結果は、塩野義製薬とともにグラクソスミスクライン、ファイザーが資本参加しているヴィーブ社が、カベヌバのP3b試験(VOLITION試験)に関して第13回HIV科学会議(IAS2025)公表したもの。
 VOLITION試験は、治療未経験のHIV陽性者を対象に実施した試験である。同試験では、毎日服用の経口2剤レジメンであるDovato(ドルテグラビル/ラミブジン)によるウイルス抑制を達成した後、対象者がDovatoによる治療を継続するか、または持効性注射剤であるカベヌバ(カボテグラビルおよびリルピビリン)へ切り替えるかを選択する機会が与えられ、その選択率に関する結果が報告された。
 同試験の結果、対象者の89%(129/145名)が、毎日服用する経口剤から持効性注射剤であるカベヌバへの切り替えを希望した。その主な理由として、「毎日の服薬忘れの心配がない(80%)」「薬を持ち歩く必要がない(68%)」が挙げられた。今回の結果は、患者のアドヒアランスと治療満足度の向上に貢献する可能性を示唆している。
 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の一つとして「感染症の脅威からの解放」を特定し、HIV感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進している。
 今後も、60年以上におよぶ感染症領域における研究・開発で培ったノウハウを活用し、ヴィーヴ社と連携して事業推進し、HIV感染症治療と予防の両面でグローバルヘルスへの貢献を果たしていく。
 なお、同件が2026年3月期の連結業績に与える影響は軽微である。

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