ダトポタマブ デルクステカンと免疫チェックポイント阻害薬の併用療法 3つの非小細胞肺がん対象臨床試験で好結果 第一三共

 第一三共は2日、ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062、抗TROP2抗体薬物複合体[ADC])と免疫チェックポイント阻害薬の併用療法について、3つの非小細胞肺がん対象臨床試験で好結果を得たと発表した。
 Actionable遺伝子変異のない非小細胞肺がん患者への一次治療を対象とした2つのP1b試験(TROPION-Lung02 、 TROPION-Lung04 ) お よ び 術 前 ・ 術 後 薬 物 療 法 を 対 象 と し たP2試験(NeoCOAST-2)
の最新データにおいて好結果を得たもの。これらの結果は、米国臨床腫瘍学会(ASCO 2025)で発表された。
 第一三共は、様々なステージの非小細胞肺がん治療に新たな選択肢を提供できるようこれらの試験や現在進行中のP3試験を通じて、同剤と免疫チェックポイント阻害薬との併用療法の開発を加速させていく。それぞれの試験結果の概要は次の通り。

1、TROPION-Lung02試験
 有効性について、客観的奏効率は、同剤とペムブロリズマブとの2剤併用群(42名)で54.8%、同剤とペムブロリズマブおよびプラチナ製剤との3剤併用群(54名)で55.6%であった。
 安全性について、新たな懸念は認められなかった。グレード3以上の薬剤に関連した有害事象は、2剤併用群で40.5%、3剤併用群で55.6%の患者に認められた。間質性肺疾患(ILD)については、ILD独立判定委員会により、2剤併用群においてグレード3が2名(4.8%)、3剤併用群においてはグレード3が1名(1.9%)、薬剤と関連のあるILDと判定された。
 同試験に参加した患者より得られた組織サンプルは、アストラゼネカが開発した定量的連続スコアリング(QCS)を用いて分析された。その結果、QCSによりTROP2-QCSバイオマーカー陽性と判定された患者において、2剤併用群および3剤併用群ともに無増悪生存期間の延長傾向が認められた。

2、 TROPION-Lung04試験
 有効性について、同剤とrilvegostomig(PD-1/TIGITバイスペシフィック抗体)の併用群40名における客観的奏効率は57.5%(完全奏効1名、部分奏効22名)で、病勢コントロール率は95%であった。客観的奏効は扁平上皮がんおよび非扁平上皮がんの両方で、PD-L1の発現レベルに関わらず認められた。
 安全性については、同剤およびrilvegostomigの既知の安全性プロファイルと同様の傾向で、新たな懸念は認められなかった。グレード3以上の薬剤に関連した有害事象は、60%の患者に認められました。ILDについては、ILD独立判定委員会により、グレード2が3名(7.5%)、グレード3が2名(5%)、薬剤と関連のあるILDと判定された。

3、NeoCOAST-2試験
 有効性について、術前薬物療法における同剤とデュルバルマブおよびプラチナ製剤との3剤併用群では、病理学的完全奏効率が35.2%で、病理学的著効率は63%であった。
 安全性については、各薬剤の既知の安全性プロファイルと同様の傾向で、新たな懸念は認められなかった。グレード3以上の薬剤に関連した有害事象は、術前薬物療法の期間において、24.1%の患者に認められた。
 

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