SaaS型高齢者見守りサービスを展開するエコナビスタにTOB エーザイ

 エーザイは14日、SaaS型高齢者見守りサービスを展開するエコナビスタに対して株式公開買付け(TOB)を実施すると発表した。買付代金総額は約160億円で自己資本・手元現金で調達する。
 エーザイは、昨年7月24日、エコナビスタが提供する施設入居者の生活リズムを確認できる「ライフリズムナビ」が同社が構築していく認知症プラットフォームのひとつのコアソリューションと考え、エコナビスタと業務提携契約を締結した。
 今回、両社の強みを活かしたより多くのシナジー効果およびメリットの追求を目指し、エコナビスタの子会社化を通じた迅速かつ機動的な意思決定を行うためTOB実施に至った。
 公開買付期間は、2025 年3月17日~5月7日、買付価格は、普通株式1株あたり2190円、買付予定数の下限486万9800株。
 エコナビスタの完全子会社化によるシナジー効果及びメリットは、次の通り。

(a)エーザイの顧客接点を活用した「ライフリズムナビ+Dr.」の普及拡大
 エコナビスタの高齢者施設向け SaaS 型見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」について、エーザイがこれまで築いてきた全国の病院への販路拡大、及びそのグループ病院の経営層への紹介を通じた病院及び病院傘下の高齢者施設への販路拡大を推進する。

(b)エコナビスタの顧客接点を活用したMCI・認知症の予防や早期受診へのパスウェイ構築
 「ライフリズムナビ+Dr.」利用者にエコナビスタの認知症予測AI及び当社が開発した脳の健康度のデジタルチェックツール「のうKNOW」(非医療機器)を用いて、リスクを可視化し、医療機関への受診を促すパスウェイを構築します。「ライフリズムナビ+Dr.」の付加価値向上に加え、日本における未診断の MCI・認知症当事者様の早期受診・診断・治療を促進することで当事者への貢献を拡大し、ひいては当社のアルツハイマー型認知症治療薬等による当事者への貢献の拡大に繋げる。

(c)在宅向け「ライフリズムナビ」による在宅介護市場への貢献拡大
 エーザイは、エコナビスタの在宅向け「ライフリズムナビ」を中心に、在宅介護の市場開拓並びに市場創造を両社で一体となって実現する。エーザイのブランド力、資本力、在宅医療を提供している医師・自治体との接点を活かし、在宅向け「ライフリズムナビ」の普及拡大に繋げることで、本人並びに家族など介護者のQOL向上に貢献する。

(d)蓄積したデータを活用した新たなソリューション・サービスの開発・提供 エーザイは「ライフリズムナビ+Dr.」を通じて蓄積したデータとhhcecoプラットフォームを通じて蓄積したデータを活用することで、MCI・認知症の課題解決に繋がる新たなソリューションの開発や、睡眠データを活用した不眠症・てんかん等に貢献できるソリューションの開発等、複数の疾患領域で新たなサービスの提供を目指す。
 また、医療データと日常生活から得られるデータを蓄積し、次世代の創薬と新たな治療体系の考案に活かしていく。
 

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