
日本ベクトン・ディッキンソン(日本BD)は7日、3月8日の国際女性デーに先駆けて「WE HOPE ~子宮頸がんをなくそうプロジェクト~ 」を始動した。
同プロジェクトは、子宮頸がん検診受診率の向上と高感度スクリーニング検査方法といわれるHPV検査の認知向上を目的としたもので、今後、社内外で複数の活動を進めていく。
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染だ。性交渉の経験があれば誰でも感染する可能性があり、女性の多くが一生に一度は感染するといわれている。
子宮頸がんは、異常な細胞がないかを検査する「細胞診」や、遺伝子検査法によりHPVの感染の有無を検査する「HPV検査」によって、がんになる手前の状態で発見できるがんの一つとされている。
だが、日本では検診受診率が43.6%と低く、WHOが掲げる「高感度の検診を受ける女性の割合を70%以上にする」という目標3に達していないのが現状だ。
日本BDは、まず、社内での子宮頸がん検査への理解度を高めるため、「WE HOPE ~子宮頸がんをなくそうプロジェクト~ 」第1弾の取り組みとして、女性社員の子宮頸がん検診費用の会社負担の開始と、社員向けラーニングセッションを実施した。
また、7日より子宮頸がんの情報提供を行うウェブサイト「大切な人のために学ぶ 子宮頸がん情報サイト」を公開し、市民に向けた検診受診の情報提供を行っていく。今後は順次、啓発ポスターや冊子の配布などを予定している。「WE HOPE ~子宮頸がんをなくそうプロジェクト~ 」概要は、次の通り。
目的 :子宮頸がん検診受診率の向上、HPV検査の認知向上
活動内容:社内外での子宮頸がん検診の受診促進、HPV検査の認知拡大
◆「WE HOPE ~子宮頸がんをなくそうプロジェクト~ 」 リーダー 島田英治氏のコメント
子宮頸がんはワクチンと検診で「予防できるがん」といわれているにも関わらず、日本の検診受診率は低いのが現状である。ひとりでも多くの方に、子宮頸がんを予防するための検診の重要性を理解いただき、悲しむ人を減らしたいという思いで、「WE HOPE ~子宮頸がんをなくそうプロジェクト~ 」を立ち上げた。
今後、社内外への啓発活動を通じて、子宮頸がん検診受診率の向上、さらに高感度スクリーニング検査としてのHPV検査の受診が当たり前になる社会づくりに貢献していきたいと考えている。
◆長瀬信弥日本ベクトン・ディッキンソンメディコン代表取締役社長のコメント
日本BDグループ(日本BDおよびメディコンでの社員女性比率は全社で3割、また子宮頸がんの罹患頻出年代といわれる30代~40代で6割を占める。
子宮頸がんは、結婚、妊娠・出産、育児などのライフイベントと、職場で責任ある役割を担う働き盛りの時期に発症することが多く、その罹患は個人のQOLだけでなく、キャリアや企業全体に大きな影響を及ぼすと認識している。
昨年末HPV検査機器を扱うBD ライフサイエンス – ダイアグノスティック ソリューションズ事業部が子宮頸がん検診に関する社内アンケートを実施した結果、疾患・検診に関する理解度や検診自体の受診率も改善の余地があることが分かり、「WE HOPE ~子宮頸がんをなくそうプロジェクト~ 」の第一弾として、社員のHPV検査費用の助成を決定した。
今後は本プロジェクトを通じ、さまざまな取り組みを広げていきたいと考えている。