子どもの脳を傷つける親がやっている行動が最新脳研究で判明 福井大学子どものこころの発達研究センター

 福井大学子どものこころの発達研究センターの友田明美教授は、親のどのような行動が子どもの脳に影響を及ぼすのかについて研究成果を発表した。最新脳研究において子供の脳を傷つける育て方として、「育児中にスマホに没頭」、「子供の前で夫婦喧嘩」、「感情的に怒る」、「ぐずる子に頻繁にスマホを渡す」、「しつけで外に締め出す」ーが明らかになった。
 同センターは、「マルトリ予防」と「とも育て」の普及活動に注力しており、その成果をまとめた新書『子どもの脳を傷つける親がやっていること』を昨年12月7日に発刊。
 同書は、虐待やネグレクトとまでは言えないものの、子どもへの避けたいかかわり(マルトリートメント:略称「マルトリ」)が、子どもの脳にどのように影響するかについて最新の脳科学の視点から解説。マルトリが、認知機能の低下やさまざまな疾病リスクを引き起こす可能性があることを、具体的な事例や科学的エビデンスを用いて紹介している。
 また、養育者によるマルトリが神経生物学的な変化をもたらし、健康に及ぼす影響についても詳述している。さらに、養育者を支援する方法として「ペアレントトレーニング」に焦点を当て、その具体的な取り組みを紹介している。
 同書を通じて、この問題への社会的な関心を喚起し、児童虐待(マルトリ)件数が減少し、かつ虐待予防と子育て支援の重要性が社会全体に広く認識されることを目指している。

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