GSKと抗デングウイルス抗AID351のコラボレーション契約締結 中外製薬

 中外製薬株は30日、GSKのグローバルヘルスと抗デングウイルス抗体の開発に関するコラボレーション契約を同日締結したと発表した。
 同契約により、GSKグローバルヘルスはAID351の臨床試験開始に向けた活動と資金調達の可能性評価を実施する。
 WHOが定める「顧みられない熱帯病(NTDs)」の一つであるデング熱を克服するための抗デングウイルス抗体共同開発プロジェクトは、シンガポール国立大学(NUS)由来の抗体をリードとして、中外製薬グループのシンガポールにおける研究拠点である中外ファーマボディ・リサーチ(CPR)と、ASTARの関連機関であるシンガポール免疫学ネットワーク(ASTAR SIgN)とのコラボレーションにより研究開発が進められ、この間、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)から2度の助成金支給を受けてきた。
 中外製薬は、世界のロールモデルとなる企業を目指して、社会課題解決に貢献するグローバルヘルス活動を推進していく。

◆Thomas Breuer GSK Chief Global Health Officer(Dr.)のコメント
 GSKグローバルヘルスが目指すのは、低所得国における高負担の感染症の状況を変えることだ。デング熱は、治療に格差が生じている顧みられない熱帯病の一つである。この疾患は、蚊の生息に適した気候条件の熱帯または亜熱帯地域の国々に存在し、貧困が効率的な医療サービスへのアクセスを妨げている。
 我々の使命は、科学、技術、そして人材を結集し、共に疾病に先んじることである。

◆奥田修中外製薬代表取締役社長CEOのコメント
 当社は、「革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献する」をミッションとして掲げ、グローバルヘルスへの貢献に向けた取り組みを進めている。
 今回、GSKグローバルヘルスとのコラボレーションを通じて、顧みられない熱帯病の一つであるデング熱の治療法の開発をさらに加速させ、世界で苦しむ患者さんに希望をもたらすことを目指す。この深刻な社会課題の解決に向けて、革新的な治療法の実現に大きく前進できると期待している。

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