血液脳関門通過型ムコ多糖症IIIA型治療酵素製剤「JR-441」 国内で希少疾病用医薬品指定取得 JCRファーマ

 JCRファーマは25日、血液脳関門通過型ムコ多糖症IIIA型(サンフィリッポ症候群A型)治療酵素製剤「JR-441」(血液脳関門通過型遺伝子組換えヘパラン Nスルファターゼ)について、同日、厚労省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されたと発表した。
 同剤は、JCRファーマ独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」を適用して創製したムコ多糖症IIIA 型治療酵素製剤である。
 ムコ多糖症IIIA型(サンフィリッポ症候群A型)は、ヘパラン硫酸の分解に関わるライソゾーム酵素をコードするSGSH遺伝子の異常によって生じる常染色体潜性遺伝疾患である。全身の様々な細胞、特に脳内の中枢神経系へのヘパラン硫酸の蓄積により、重度の神経学的退行、認知機能障害、軽度の全身症状を呈する。
 現時点で承認された治療薬は存在せず、日本では「ライソゾーム病」として難病指定されている。
 JR-441 は、2022 年 1 月には欧州委員会(EC)より、2023 年 12 月には米国FDAよりオーファンドラッグの指定を受けている。
 現在、2つの臨床試験で研究されている治験薬で、ドイツではP1/2試験(JR-441-101:NCT06095388)、日本においてP1相試験(JR441-JP11:jRCT2071240053)を実施している。
 希少疾病用医薬品指定は、医薬品医療機器等法に基づき、指定を受けた希少疾病用医薬品が試験研究促進を目的とした特別支援措置を受けられる制度だ。
 指定基準として、当該医薬品の用途に係る対象者の数が日本において5万人未満であるか、その用途が指定難病であること、重篤な疾病等を対象とするとともに、「既承認薬等がない、または既承認薬等と比較して高い有効性又は安全性が期待されるなど、特に医療上の必要性が高いものである」、また、「申請者は国内での開発を行える体制及び計画を有している」ことが必要とされる。

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