アストラゼネカは21日、データ社会推進協議会(DST)主催の「DST EVIDENCE AWARDS 2024」で、化学放射線療法の過去症例を提示し、医師による放射線治療計画の作成を支援するシステがアクション部門の優秀賞を受賞したと発表した。
DST EVIDENCE AWARDS は、宮田裕章氏(慶応義塾大学 医学部教授)が審査委員長を務め、成田悠輔氏(イェール大学 助教授)や川邊健太郎氏(LINEヤフー代表取締役会長)、高島宗一郎氏(福岡市長)らが参画するアワードプログラムだ。エビデンスの社会実装によって課題解決に寄与したものや、その促進に繋がるようなプロジェクト・研究成果を表彰し、広くエビデンスを活用した課題解決の事例を紹介することで、データの利活用を推進している。
同アワードプログラムは、3つの受賞部門(アクション部門、エビデンス部門、アイディア部門)に分かれており、この度、本医療情報システムが受賞した「アクション部門」は、エビデンスの活用やデータの分析を通じて、実際に課題解決を図ったプロジェクトや政策において、その効果を適正な手法で測定している事例に対して表彰される。
今回受賞した医療情報システムは、アストラゼネカが国内14医療機関から、切除不能なステージIII非小細胞肺がんで化学放射線療法が適用された約1900 症例の放射線治療計画の情報を収集し、富士フイルムが情報データベース化および検索機能を開発したもの。
3D画像解析システム「SYNAPSEVINCENT(シナプス ヴィンセント)」のオプション機能が搭載されており、医師が CT 画像を入力し、腫瘍の位置や検索条件を指定すると、データベースから腫瘍の中心の相対位置が近い過去症例を検索し、医師が参照したい症例の放射線治療計画の情報を表示して、放射線治療計画の作成をサポートする。
同システムは、、富士フイルムメディカルを通じて本年4月10日より提供されている。
◆田中倫夫アストラゼネカ執行役員メディカル本部長のコメント
新たな治療薬の提供に加え、データジェネレーションならびに弊社の知見を基に、より良い治療環境の醸成に貢献することはアストラゼネカの重要な責務である。今回の受賞は、弊社のデータおよびエビデンスの活用の取り組みをさらに加速させるものと感じている。
また、本アワードプログラムを通じて、データやエビデンスの持つ可能性が広く認知され、エビデンスに基づく意思決定が日本社会にさらに浸透していくことを期待している。